著者
米山 雅人 佐久間 淳也 小瀧 曜 鷹野 真由実 長崎 澄人 大路 斐子 早田 英二郎 中田 雅彦 森田 峰人
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.142-146, 2022 (Released:2022-05-10)
参考文献数
17

胎児の頭蓋内出血は,1,000例に0.5-0.9例程度と稀な疾患である.今回,母体のビタミンK欠乏により胎児頭蓋内出血を来した一例を経験したので報告する.37歳,3妊0産.双極性感情障害のため内服加療をしていた.妊娠28週6日に精神症状の増悪に伴う摂食障害で受診し,入院管理とした.妊娠30週3日の超音波検査で左頭蓋内占拠性病変を認め,胎児MRI検査で頭蓋内出血と診断した.妊娠30週4日に胎児死亡を確認した.母体の精神状態の増悪を考慮し,全身麻酔下での帝王切開術による死産児の娩出を行った.母体血液検査で凝固能に異常値は認めなかったが,ビタミンK1,K2ともに≦0.05ng/mLとビタミンK欠乏を認め,胎児頭蓋内出血の原因と推測された.本症例のように,母体の血液検査にて凝固能に異常を認めない症例でも,胎児の出血を念頭とした管理が考慮される.また,胎児MRIは胎児頭蓋内出血の詳細の評価が可能であり,家族への病状説明や方針決定の際に有用であると考えた.
著者
早田 英二郎
出版者
東邦大学医学会
雑誌
東邦医学会雑誌 = Journal of Medical Society of Toho University (ISSN:00408670)
巻号頁・発行日
vol.68, no.3, pp.114-116, 2021-09

総説2020年4月の緊急事態宣言後,東邦大学医療センター大森病院全体としては診療の縮小,婦人科予定手術の延期等の対応を取ってきたが,周産期部門は総合周産期母子医療センターとして多数のハイリスク分娩予定者が存在し,緊急性の高い胎児治療症例もいること,さらにCOVID-19感染妊婦の受け入れも求められたことから,診療規模はほぼ不変の状態であった.我々は,病院の方針に従いながら診療・感染防御・教育をいかに維持するかを考え,独自のマニュアルを作成し,感染流行の状況に応じて院内ルールを柔軟に運用している.ここでは2020年4月に発出された第1回緊急事態宣言当時の当院産婦人科の取り組みについて述べる.