著者
園田 潤 昆 太一 佐藤 源之 阿部 幸雄
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J100-C, no.8, pp.302-309, 2017-08-01

現在,トンネルや道路などインフラの劣化が社会問題化しており,異常箇所を効果的に早期発見することが必要とされている.このような社会インフラの検査センシングには地中レーダが有効である.しかしながら,例えば,鉄筋コンクリート下の空洞検出のような電磁波が多重散乱しレーダ画像が複雑になるような場合では,信号処理をしても空洞の判定が困難で熟練技術者による判読が必要になる問題があり,得られたレーダ画像の検証や検出可能な物体サイズなどの理論的検討が必要であった.そこで本研究では,地中レーダを用いた鉄筋コンクリート下の空洞を客観的・定量的に検証するために,GPUを用いたFDTD法による高速地中レーダシミュレーションにより空洞検出特性を明らかにする.
著者
小関 勇気 園田 潤 昆 太一 佐藤 源之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.131, pp.37-42, 2011-07-07
参考文献数
26
被引用文献数
7

地中レーダGPRの順・逆問題シミュレーションには,FDTD (Finite-Difference Time-Domain)法が広く用いられるが,計算時間が増大する問題がある.計算時間の問題が解決できれば,シミュレーションによるリアルタイム地中構造推定などが可能になり,GPRの精度向上が期待できる.近年のGPU (Graphics Processing Unit)の高性能化に伴い,GPUによるFDTD法の高速化の研究が行われている.GPUを用いることでCPUに対し数十倍高速に計算できるとの報告もあり,GPRシミュレーションの高速化にも有効な手法であると考えられる.そこで本論文では,GPU実装によりFDTD法によるGPRシミュレーションの高速化を検討する.本論文では,FDTD法のGPU実装における共有メモリやキャッシュの効果と,Mur一次吸収境界条件付きFDTD法のGPU実装における高速化について議論し,二次元および三次元GPRシミュレーションのGPU実装による高速化について示している.