著者
園田 潤 小関 勇気 佐藤 源之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J97-C, no.8, pp.324-327, 2014-08-01

本論文では,GPUにおけるディレクティブの統一規格であるOpenACCを用いたFDTD法,最適2次FDTD法,MW-FDTD法のGPU実装について,CUDA実装やCPUにおけるOpenMPマルチスレッド計算との比較検証を行っている.
著者
孔 繁年 曽 昭発 佐藤 源之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.305, pp.35-40, 2002-09-12

本報告では,ビバルディアンテナがTEMホーンと同様の動作をすることについて説明する.ビバルディアンテナはプリント基板上に作製できるの対し,TEMホーンは基本的に3次元構造をもつアンテナである.従ってビバルディアンテナはTEMホーンと比較した場合,より簡単に製作でき,機構的に頑強である.本研究では,TEMホーンの設計法をビバルディアンテナの設計に適用した.試作アンテナを実験した結果,小さな開口をもつビバルディアンテナがもっとも優れた特性をもつことが明らかになった.
著者
園田 潤 丹治 紀彦 海野 啓明 佐藤 源之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J102-C, no.5, pp.146-152, 2019-05-01

近年,フラクタル構造中の電磁波伝搬散乱解析が行われており,フラクタル構造は周期構造に比べ透過・共振特性がマルチバンドになり,Q値も大きくなることが理論的に明らかにされている.しかしながら,3次元構造は製作や測定が困難になる問題があった.そこで我々は,製作が比較的容易な一次元のフラクタルであるカントール構造に着目し,分割幅を変えることによる最小透過係数・最大共振係数やQ値の制御方法を提案している.本論文では,分割幅可変カントール構造を石膏ボードを用いた多層板構造により実現し,GHz帯マイクロ波実験で透過特性を測定しFDTD法による理論計算と比較することで,カントール構造の分割幅を可変することにより最小透過係数や最大共振係数及びQ値を制御できることを明らかにする.
著者
園田 潤 昆 太一 佐藤 源之 阿部 幸雄
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J100-C, no.8, pp.302-309, 2017-08-01

現在,トンネルや道路などインフラの劣化が社会問題化しており,異常箇所を効果的に早期発見することが必要とされている.このような社会インフラの検査センシングには地中レーダが有効である.しかしながら,例えば,鉄筋コンクリート下の空洞検出のような電磁波が多重散乱しレーダ画像が複雑になるような場合では,信号処理をしても空洞の判定が困難で熟練技術者による判読が必要になる問題があり,得られたレーダ画像の検証や検出可能な物体サイズなどの理論的検討が必要であった.そこで本研究では,地中レーダを用いた鉄筋コンクリート下の空洞を客観的・定量的に検証するために,GPUを用いたFDTD法による高速地中レーダシミュレーションにより空洞検出特性を明らかにする.
著者
今野 海航 園田 潤 金澤 靖 佐藤 源之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J98-C, no.5, pp.87-95, 2015-05-01

FDTD (Finite-Difference Time-Domain)法を用いた実環境における電波環境解析を実現するために,撮影した対象環境中の物体までの距離情報が直接得られる深度センサと,三次元点群処理のライブラリであるPCL (Point Cloud Library)による三次元復元技術を応用した実環境FDTD数値モデル構築システムを開発する.本システムは,(1)深度センサで測定された距離情報からPCLにより深度センサを基準にした相対座標を取得し,(2)得られた相対座標と対象環境中の基準平面から深度センサの傾き角を算出することで対象環境中の水平垂直面を基準にした絶対座標を計算し,(3)ポイントクラウドデータが存在する三次元セル上に電気定数を与えることでFDTD数値モデルを構築するものである.本論文では,実際に室内二つの対象環境でFDTD数値モデルを構築し,三次元座標の精度や処理時間を評価している.
著者
佐藤 源之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.85, no.7, pp.520-530, 2002-07-01
被引用文献数
42

地中レーダを用いた地下計測について現状とイメージングのための技術について解説する.地中レーダ計測が実用的に利用されている分野を紹介し,弾性波計測に対する地中レーダの特徴をまとめる.次にイメージングのために現在用いられている逆散乱問題としてのアプローチとマイグレーションによるアプローチを紹介する.現状では地中レーダについてはマイグレーションによるイメージングが多く利用されており,本論文ではKirchhoffマイグレーション,f-κマイグレーション,リバースタイムマイグレーションについて具体的なデータを用いて説明する.
著者
小林 敬生 馮 〓 佐藤 源之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.300, pp.41-45, 2003-09-04
被引用文献数
6

アフガニスタンにおける地雷除去活動への供与を目的とする地雷探知SAR-GPRシステムの開発を進めている.開発中のSAR-GPRシステムは地中を3次元可視化して地雷の判別を行なう.センサは10基のビバルデイアンテナで構成されたアレイアンテナである.実験によりレこのアレイアンテナのアンテナ間隔と地表面粗さが地中ターゲット画像に及ぼす影響を調べた.その結果、アレイアンテナのアンテナ間隔には地表面粗さに応じた最適値が存在することが分かった.
著者
小関 勇気 園田 潤 昆 太一 佐藤 源之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EMCJ, 環境電磁工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.131, pp.37-42, 2011-07-07
参考文献数
26
被引用文献数
7

地中レーダGPRの順・逆問題シミュレーションには,FDTD (Finite-Difference Time-Domain)法が広く用いられるが,計算時間が増大する問題がある.計算時間の問題が解決できれば,シミュレーションによるリアルタイム地中構造推定などが可能になり,GPRの精度向上が期待できる.近年のGPU (Graphics Processing Unit)の高性能化に伴い,GPUによるFDTD法の高速化の研究が行われている.GPUを用いることでCPUに対し数十倍高速に計算できるとの報告もあり,GPRシミュレーションの高速化にも有効な手法であると考えられる.そこで本論文では,GPU実装によりFDTD法によるGPRシミュレーションの高速化を検討する.本論文では,FDTD法のGPU実装における共有メモリやキャッシュの効果と,Mur一次吸収境界条件付きFDTD法のGPU実装における高速化について議論し,二次元および三次元GPRシミュレーションのGPU実装による高速化について示している.
著者
小関 勇気 園田 潤 金澤 靖 佐藤 源之
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J96-C, no.6, pp.151-155, 2013-06-01

これまで,室内モデル等によるFDTD解析が行われているが,解析結果の現実的かつ三次元可視化の高速化に課題があった.本論文では,SfMシステムにより構築した実環境モデルと,データ転送量を削減したマルチGPUによるFDTD法を組み合わせ,実環境下における三次元ポインティングベクトル分布の高速可視化を実現する.
著者
及川 貴瑛 園田 潤 佐藤 源之 本間 規泰 池川 豊年
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌A(基礎・材料・共通部門誌) (ISSN:03854205)
巻号頁・発行日
vol.132, no.1, pp.44-50, 2012-01-01 (Released:2012-01-01)
参考文献数
13
被引用文献数
3 8

Analysis of lightning electromagnetic field using the FDTD method have been studied in recent year. However, large-scale three-dimensional analysis on real environment have not been considered, because the FDTD method has huge computational cost on large-scale analysis. So we have proposed a three-dimensional moving window FDTD (MW-FDTD) method with parallel computation. Our method use few computational cost than the conventional FDTD method and the original MW-FDTD method. In this paper, we have studied about computation performance of MW-FDTD parallel computation and large-scale three-dimensional analysis of lightning electromagnetic field on a real terrain model using our MW-FDTD with parallel computation.
著者
佐藤 源之 渡邉 学 横田 裕也 ANDREY Klokov ZHAO Weijun 園田 潤 高橋 一徳 MAHFOOZ Abdel-Motaleb Hafez Salem 城戸 隆 園田 潤 ZHAO Weijun
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2006

強い不均質性媒質中の埋設物検知のためのレーダ信号処理技術について研究を行った。これを利用して人道的地雷除去を目的とした地中レーダ装置ALISを開発し、カンボジアの実地雷原での実証試験において70個以上の地雷検知に成功した。本試験は本研究終了後も継続中である。更に次世代の小型レーダ技術としてバイスタティック型レーダによる埋設物検知を行った。またレーダポーラリメトリ技術をボアホールレーダ、GB-SAR、航空機・衛星搭載SARなどのレーダに対して、特に防災・減災への発展的応用を行った。
著者
馮 〓 佐藤 源之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SANE, 宇宙・航行エレクトロニクス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.301, pp.7-12, 2003-09-05

地中レーダ(GPR)による地雷検知において,粗い地表面や不均質媒質,また斜めに埋設された地雷はいずれも検出の効率を低下させる.また斜めに埋設された地雷ではその正確な位置の推定が難しい.これらの問題を解決するために重合後マイグレーションと重合前マイグレーションをステップ周波数レーダシステムであるSAR-GPRシステムによって取得したデータに適用しイメージングを試みた.粗い地表面や不均質媒質,斜めに埋設された地雷について実験室内で実験を行った.マイグレーション処理によって埋設物のイメージは明確になった.また重合前マイグレーションは斜めに埋設された地雷に対して特に有効なことが確認できた.