著者
馬嶋 健一郎 佐々木 美和 星野 絵里 島本 武嗣 村木 洋介
出版者
公益社団法人 日本人間ドック学会
雑誌
人間ドック (Ningen Dock) (ISSN:18801021)
巻号頁・発行日
vol.32, no.3, pp.476-481, 2017 (Released:2017-12-22)
参考文献数
24

目的:健診の尿検査において,随時尿と早朝尿での尿蛋白陽性率,尿潜血陽性率および運用面での変化を検討した.方法:亀田メディカルセンターの健診受診者のうち,2012年6~10月までの随時尿群2,619名と,2013年6~10月までの早朝尿群2,512名を対象とした.主要な評価項目として随時尿群と早朝尿群の尿蛋白陽性率を比較し,尿蛋白を減少させる要因についてロジスティック回帰分析にて検討した.副次的評価項目として,尿潜血陽性率の変化を検討し,運用面の変化や受診者の流れなどを調査した.結果:尿蛋白陽性率は随時尿群3.9%(102/2,619),早朝尿群1.8%(45/2,512)であり,有意に早朝尿において低かった.また,ロジスティック回帰分析では,早朝尿は尿蛋白陽性率低下の独立した要因だった.尿潜血陽性率は随時尿群で陽性は6.2%(162/2,619),早朝尿群では1.8%(45/2,512)であり,有意に早朝尿において低かった.運用面では,早朝尿導入で看護スタッフの問診終了時間が早くなった.結論:随時尿に比べ,早朝尿検査は尿蛋白陽性率を減らすことができ,運営面では人間ドックの流れがスムーズになることが期待される.
著者
湯浅 正太 星野 絵里 戸田 壮一郎 髙梨 潤一
出版者
一般社団法人 日本小児神経学会
雑誌
脳と発達 (ISSN:00290831)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.418-423, 2018 (Released:2018-12-08)
参考文献数
17

【目的】Levetiracetam (LEV) は副作用が少ないことで知られfosphenytoin (FOS) の代替薬として期待される. 今回我々は, 小児のけいれん発作頓挫後の急性期における発作再発予防としてLEV静注製剤およびFOS静注製剤の有効性と安全性を後方視的に検討したので報告する. 【方法】2012年1月から2017年8月までに, けいれん頓挫後の急性期における発作再発予防目的にLEVまたはFOSを静注投与した4歳から15歳までの入院患者のうち, 除外項目該当例 (頭部画像/肝腎機能/電解質異常を有する, LEV/FOSと同系統薬を内服している, benzodiazepine系薬剤の前投与あり) を除いた群を対象とした. 【結果】対象症例は, 除外項目該当例を除いた計35例 (35機会, LEV 12例, FOS 23例) であった. 年齢は中央値9.8歳, 男児20例, 女児15例. 有効率については, LEV群91.7%, FOS群95.7%と統計的に有意な差を認めなかった (p=1.000). 副作用については, 両群で加療を要するものはなかった. 【結論】LEVはFOSと同様に小児のけいれん発作頓挫後の急性期における発作再発予防としての有効性と安全性が期待できる. 今後前方視的な検討が望まれる.