著者
三橋 亮太 水野 壮 佐伯 真二郎 内山 昭一 吉田 誠 高松 裕希 食用昆虫科学研究会 普後 一
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.410-414, 2013-12-25 (Released:2013-12-28)
参考文献数
10
被引用文献数
3

福島県では福島第一原子力発電所事故が発生してから,イナゴの放射線汚染を懸念してイナゴ食(イナゴを採集し,調理して食べること)を楽しむ人が減少した.そこで2011年,2012年に福島県各地で採取したイナゴに含まれる放射性セシウムを測定したところ,134Csと137Csの合計放射能濃度は,最高で60.6 Bq/kgであり,2012年に設定された食品中の放射性物質の新たな基準値である100 Bq/kgを下回ることが示された.さらに,イナゴは一般的な調理過程を経ることによって,放射能濃度が15.8 Bq/kg以下,未処理時の1/4程度まで低下することが示された.
著者
清水 智恵 山中 沙織 西田 雄太 田中 淳 普後 一 島田 順
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
蚕糸・昆虫バイオテック (ISSN:18810551)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.1_033-1_037, 2014 (Released:2014-05-26)
参考文献数
6

シロヘリクチブトカメムシを室内で省力的に増殖することを目的に,人工飼料による飼育方法の開発を試みた。クチブトカメムシの一種であるP. maculivientrisおよびP. sagitta用に開発された飼料(De Clercq and Degheele,1992)にカイコガ蛹乾燥粉末を加え,パラフィルムで密封処理した飼料片を作製した。冷凍保存したこの飼料片を用い,高い生存率でシロヘリクチブトカメムシを飼育することができた。また,16L8Dを長日,8L16Dを短日として若虫期,成虫期を飼育したところ,雌成虫に産卵を誘導するためには,成虫期の長日のみならず若虫期にも長日が必要であることが明らかとなった。1齢若虫期のみの長日条件でも成虫期が長日であれば産卵個体を得ることができるが,若虫期の長日期間が長いほど産卵個体が多くなることが示唆された。 25°C飼育下における本種の生殖休眠は,成虫期の短日条件,あるいは全若虫期を通した短日条件で誘導されることが判明した。
著者
三橋 亮太 水野 壮 佐伯 真二郎 内山 昭一 吉田 誠 高松 裕希 食用昆虫科学研究会 普後 一
出版者
[日本食品衛生学会]
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.410-414, 2013 (Released:2014-05-12)

福島県では福島第一原子力発電所事故が発生してから,イナゴの放射線汚染を懸念してイナゴ食(イナゴを採集し,調理して食べること)を楽しむ人が減少した。そこで2011年,2012年に福島県各地で採取したイナゴに含まれる放射性セシウムを測定したところ,134Csと137Csの合計放射能濃度は,最高で60.6Bq/kgであり, 2012年に設定された食品中の放射性物質の新たな基準値である100Bq/kgを下回ることが示された。さらに,イナゴは一般的な調理過程を経ることによって,放射能濃度が15.8Bq/kg以下,未処理時の1/4程度まで低下することが示された。
著者
清水 智恵 山中 沙織 西田 雄太 田中 淳 普後 一 島田 順
出版者
日本蚕糸学会
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.33-37, 2014 (Released:2014-09-03)

シロヘリクチブトカメムシを室内で省力的に増殖することを目的に,人工飼料による飼育方法の開発を試みた。クチブトカメムシの一種であるP. maculivientrisおよびP. sagitta用に開発された飼料(De Clercq and Degheele,1992)にカイコガ蛹乾燥粉末を加え,パラフィルムで密封処理した飼料片を作製した。冷凍保存したこの飼料片を用い,高い生存率でシロヘリクチブトカメムシを飼育することができた。また,16L8Dを長日,8L16Dを短日として若虫期,成虫期を飼育したところ,雌成虫に産卵を誘導するためには,成虫期の長日のみならず若虫期にも長日が必要であることが明らかとなった。1齢若虫期のみの長日条件でも成虫期が長日であれば産卵個体を得ることができるが,若虫期の長日期間が長いほど産卵個体が多くなることが示唆された。25℃飼育下における本種の生殖休眠は,成虫期の短日条件,あるいは全若虫期を通した短日条件で誘導されることが判明した。
著者
三橋 亮太 水野 壮 佐伯 真二郎 内山 昭一 吉田 誠 高松 裕希 食用昆虫科学研究会 普後 一
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.410-414, 2013
被引用文献数
3

福島県では福島第一原子力発電所事故が発生してから,イナゴの放射線汚染を懸念してイナゴ食(イナゴを採集し,調理して食べること)を楽しむ人が減少した.そこで2011年,2012年に福島県各地で採取したイナゴに含まれる放射性セシウムを測定したところ,<sup>134</sup>Csと<sup>137</sup>Csの合計放射能濃度は,最高で60.6 Bq/kgであり,2012年に設定された食品中の放射性物質の新たな基準値である100 Bq/kgを下回ることが示された.さらに,イナゴは一般的な調理過程を経ることによって,放射能濃度が15.8 Bq/kg以下,未処理時の1/4程度まで低下することが示された.
著者
加藤 駿 石崎 良祐 三橋 亮太 清水 智恵 島田 順 普後 一
出版者
社団法人 日本蚕糸学会
雑誌
蚕糸・昆虫バイオテック (ISSN:18810551)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.1_039-1_042, 2014 (Released:2014-05-26)
参考文献数
7

2011年3月の東京電力福島第一原子力発電所の事故で,福島県内は放射性物質の甚大な汚染をうけた。桑園とクヌギ畑の土壌,桑やクヌギ葉,幼虫,蛹,繭等の放射性物質濃度の測定,作業環境の空間放射線量等の具体的なデータを収集し,養蚕業や天蚕業に及ぼす放射性物質の影響について考察した。調査地の空間放射線量測定の結果,飼育室内の空間放射線量は,圃場に比較して特段高い値ではなかった。2012年5月と9月測定時の桑園およびクヌギ畑土壌中の放射性Cs濃度は,Cs-134,Cs-137ともに1000Bq/kg以上の値を示していた。しかし,9月時点の桑葉とクヌギ葉の放射性Cs濃度は,いずれも厚生労働省の定める一般食品中の基準値(100Bq/kg)を下回っていた。カイコ幼虫,蛹と繭についてはCs-134,Cs-137ともに検出限界値以下であった。天蚕の繭からはCs-134が20.7Bq/kg,Cs-137は36.3Bq/kg検出された。これらの結果から,福島県での養蚕業あるいは天蚕業への放射性物質の直接的な影響はないと考察した。