著者
朝野 維起
出版者
日本蚕糸学会
巻号頁・発行日
vol.84, no.3, pp.181-194, 2015 (Released:2016-07-20)
著者
神村 学
出版者
日本蚕糸学会
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.127-133, 2015 (Released:2016-04-13)
著者
加藤 輝 林 茂生
出版者
日本蚕糸学会
巻号頁・発行日
vol.89, no.1, pp.7-13, 2020 (Released:2020-12-22)
著者
福冨 雄一 越川 滋行
出版者
日本蚕糸学会
雑誌
蚕糸・昆虫バイオテック (ISSN:18810551)
巻号頁・発行日
vol.87, no.2, pp.95-102, 2018-08

昆虫の体表の模様には様々なパターンが存在している。それらのパターンには警告色や擬態,天敵に対する威嚇といった重要な機能を持つものがある。例えば,ハチの黄色と黒色の縞模様やナナホシテントウの翅の模様は,捕食者に対して危険である,または有毒であることを示して捕食を避ける警告色としての機能があると考えられている。また,スズメバチやアシナガバチで模様が似たパターンになっていたり,南米のドクチョウ属(Heliconius属)では毒のあるチョウ同士の翅の模様が類似したりしており,これらはミュラー型擬態としての機能があると考えられている。さらに,毒を持っていないトラカミキリがスズメバチに似た体表の模様を持っていたり,毒のないシロオビアゲハのある型では毒のあるベニモンアゲハと同じ翅の模様を持っていたりしており,これらはベイツ型擬態としての機能を持つと考えられている。チョウやカマキリをはじめ,様々な分類群の昆虫に見られる翅の眠状紋は,天敵を威嚇する機能があるという説もある。これらの多様なパターンはどのように進化してきたのだろうか。これまでに様々な昆虫を用いて模様形成メカニズムの研究がなされてきた。その背景には,模様という形質が平面上に展開されていて表現型の解析がしやすいという利点がある。そのため,昆虫の模様は形態進化の至近要因を研究する上で中心的な題材のひとつとなった。ショウジョウバエの腹部と翅の模様や,チョウの翅の模様などをはじめとして,様々な材料を用いた研究が行われてきた。その結果,模様形成をコントロールする遺伝子として,転写因子やシグナルリガンド(分泌因子)をコードする遺伝子が同定されてきた。また,それらの遺伝子のcis制御領域の解析が進められ,その領域における変異が模様の多様性を生み出すのではないかと考えられた。現在,模様が形成される場所や範囲,領域がどのように決定されるかについてのモデルが複数提唱されている。今後は模様が形成される場所や範囲,領域が決定される分子メカニズムを実験的に明らかにするべきであろう。本稿では,模様形成研究の現在までとこれからについて述べていきたい。昆虫の模様形成の仕組みを大きく二つのステップ,すなわち制御関係の上流にあたるパターン形成と,下流にあたる着色の形成に分けて考えるとすると,本稿では主に上流にあたるパターン形成に重点を置くことになる。
著者
伴野 豊
出版者
日本蚕糸学会
雑誌
蚕糸・昆虫バイオテック = Sanshi-konchu biotec (ISSN:18810551)
巻号頁・発行日
vol.79, no.2, pp.87-95, 2010-08-01
参考文献数
74

クワコに関する研究は多数に上るが,昆虫学者を中心に行われた分類学的研究と養蚕学や遺伝学に関わる研究者を中心に行われたカイコを比較対象とした生物学的研究とに大きく分けることが出来る.前者に関しては上田(1998)による詳しい記述がある.ここではクワコの生物学的特性についてカイコの特性と比較しつつ行われた研究を中心に述べる.クワコはご存知のようにカイコの祖先昆虫として考えられている.従って,多くの研究でカイコの起源や分化についても論じられている.両種が近縁な関係にあることが認識された研究を先ず取り上げ,その後分野別に紹介する.
著者
清水 智恵 山中 沙織 西田 雄太 田中 淳 普後 一 島田 順
出版者
日本蚕糸学会
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.33-37, 2014 (Released:2014-09-03)

シロヘリクチブトカメムシを室内で省力的に増殖することを目的に,人工飼料による飼育方法の開発を試みた。クチブトカメムシの一種であるP. maculivientrisおよびP. sagitta用に開発された飼料(De Clercq and Degheele,1992)にカイコガ蛹乾燥粉末を加え,パラフィルムで密封処理した飼料片を作製した。冷凍保存したこの飼料片を用い,高い生存率でシロヘリクチブトカメムシを飼育することができた。また,16L8Dを長日,8L16Dを短日として若虫期,成虫期を飼育したところ,雌成虫に産卵を誘導するためには,成虫期の長日のみならず若虫期にも長日が必要であることが明らかとなった。1齢若虫期のみの長日条件でも成虫期が長日であれば産卵個体を得ることができるが,若虫期の長日期間が長いほど産卵個体が多くなることが示唆された。25℃飼育下における本種の生殖休眠は,成虫期の短日条件,あるいは全若虫期を通した短日条件で誘導されることが判明した。
著者
長岡 純治
出版者
日本蚕糸学会
雑誌
蚕糸・昆虫バイオテック (ISSN:18810551)
巻号頁・発行日
vol.83, no.1, pp.1_011-1_024, 2014

アントニ・ファン・レーウェンフック(Antonie van Leeuwenhoek,1632-1723)は,自作の顕微鏡を駆使することで,細菌や原生動物などを発見し,また,赤血球や筋肉の横紋などを観察したことはあまりにも有名な話である。同時に,彼はバッタのような無脊椎動物を含むあらゆる動物の精液を観察することで,運動する能力を有する赤血球より小さな細胞,すなわち,精子を発見すると共に,精子が懸濁されている精漿部分にスペルミンの結晶を見出し,単純な液体ではないことを報告した。しかし,あらゆる動物の精巣で形作られた精子は,自発的に運動能を獲得するわけではないし,ましておや,受精能も持つわけでもない。例えば,哺乳類精子は,精巣の細精管の中でその形は完成するが,その後,セルトリ細胞から放出・排精されても,本来の運動能も受精能力も持たない。そして,オスの生殖輸管である精巣上体とそれに続く輸精管,さらに射精により,メスの生殖輸管である膣,子宮,輸卵管へと移動することで,次第に運動パターンと激しさが変化していき,その過程で受精能が獲得(capacitation)される。
著者
梶浦 善太
出版者
日本蚕糸学会
雑誌
蚕糸・昆虫バイオテック = Sanshi-konchu biotec (ISSN:18810551)
巻号頁・発行日
vol.78, no.1, pp.13-16, 2009-04-01
被引用文献数
1

ヤママユガは重さ5〜7mgの卵を150〜200個を産卵します。この重さはカイコ卵0.5mgの10倍以上で、鱗翅目ではヨナグニサンの卵に次いで大きな卵です。私は、このような大きな卵がどのようにして作られてくるか興味がありました。卵のタンパク質はビテリン(Vn)とその他の未同定なタンパク質からなっています。ヤママユガ科ではVnは卵全タンパク質の70〜80%を占めています。Vnの前駆体タンパク質ビテロジェニン(Vg)のmRNAは5齢(終齢)の末期から蛹初期の限られた時期に雌脂肪体で発現し、そこでVgを大量に合成します。合成されたVgは血液中に蓄積された後、発達し始めた卵母細胞へ受容体を介して取り込まれ(エンドサイトーシス)、顆粒として貯蔵されます。卵母細胞に蓄積したVgがVnで、胚子の栄養源として利用されます。私はこのような胚発育に重要な役割を持つVgの、雌、時期、さらには組織特異的な遺伝子発現調節機構を解明することを目標にしてきました。
著者
齊藤 準
出版者
日本蚕糸学会
雑誌
蚕糸・昆虫バイオテック = Sanshi-konchu biotec (ISSN:18810551)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.153-158, 2011-12-01

チョウ目幼虫で共通してみられる色彩的特徴の一つは,緑色の体色が多いということである。アオムシなどという呼び方もあるように,彼らの多くはなぜか緑色をしている。幼虫は主に植物の葉を食べて成長することから,緑色は彼らの生息環境の中で保護色として天敵から逃れるために役立つものと考えられる。では,緑色の色彩発現はどのようなメカニズムによっておこるのか? 本稿では,大型絹糸昆虫の野蚕類でみられる緑色発現に重要な役割をはたす青色色素のピリンとその結合タンパク質の性質と生理機能について紹介する。