著者
月岡 桂吾 坂井 公俊
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.23-00005, 2023 (Released:2023-08-20)
参考文献数
36

鉄道構造物の耐震設計に位相最適化を導入するためのプロセスを提案した.提案手法ではまず,現在の一般的な耐震設計手法に基づいて構造物の設計を実施する.次に位相最適化によって構造物の構造形態の候補を複数作成し上述した設計結果と比較することで,コストや性能等の観点でパレート最適解の範囲を絞り込む.最後に絞り込まれた解の範囲の中から,予算,施工性および維持管理性等を踏まえて設計者が最適な構造形態を選定する.提案手法の有効性を確認するために,柱高さ6mのコンクリート橋脚を対象に手法を適用した.その結果,パレート最適解として複数の構造形態が得られることや,解の範囲から選定した構造形態は従来のものと比較して性能やコストの面で優位性を有している事等を確認した.
著者
月岡 桂吾 山田 聖治 室野 剛隆
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.75, no.4, pp.I_123-I_132, 2019 (Released:2019-09-24)
参考文献数
18

本研究では,インピーダンスの周波数依存性および上部構造物の非線形性を考慮した非線形時刻歴応答解析手法である佐藤の方法を対象として,その適用性の拡張を図った.具体的には,佐藤の方法では,インピーダンス虚部が低周波数域において一定値をとるような問題に対して適用性が担保されていなかったため,これを改善するような方法を提案した.その上で,SRモデルを対象として,インピーダンスの周波数依存性と上部構造物の非線形性を考慮した数値解析を実施し,低周波数域におけるインピーダンス虚部の再現性が上部構造物の非線形応答特性に与える影響に関して検討を行った.その結果,上部構造物の履歴減衰の影響が比較的小さい場合において,インピーダンス虚部の再現性の影響が顕著に表れることが示された.