著者
月岡 桂吾 坂井 公俊
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.8, pp.23-00005, 2023 (Released:2023-08-20)
参考文献数
36

鉄道構造物の耐震設計に位相最適化を導入するためのプロセスを提案した.提案手法ではまず,現在の一般的な耐震設計手法に基づいて構造物の設計を実施する.次に位相最適化によって構造物の構造形態の候補を複数作成し上述した設計結果と比較することで,コストや性能等の観点でパレート最適解の範囲を絞り込む.最後に絞り込まれた解の範囲の中から,予算,施工性および維持管理性等を踏まえて設計者が最適な構造形態を選定する.提案手法の有効性を確認するために,柱高さ6mのコンクリート橋脚を対象に手法を適用した.その結果,パレート最適解として複数の構造形態が得られることや,解の範囲から選定した構造形態は従来のものと比較して性能やコストの面で優位性を有している事等を確認した.
著者
野上 雄太 坂井 公俊 室野 剛隆 盛川 仁
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A1(構造・地震工学) (ISSN:21854653)
巻号頁・発行日
vol.68, no.1, pp.191-202, 2012 (Released:2012-04-20)
参考文献数
20
被引用文献数
1 5

本研究は,広範囲の被害の概略をマクロに予測して危険箇所を抽出する1次スクリーニングを目的として,想定される工学的基盤の地震動に対して表層地盤の絶対加速度増幅率および絶対速度増幅率を推定する式を提案したものである.この推定式は,(1)表層地盤の固有周期だけでなく,入力地震動の卓越周期も考慮できること,(2)幅広い地震動レベルに対して適用可能であることが特徴である.増幅率の推定に必要な情報は,入力地震動に関しては,工学的基盤における地震動の最大加速度PBAと最大速度PBVの2つのみ,表層地盤に関しては,固有周期Tgのみである.また,提案した推定式の妥当性を地表と地中の両者で得られた実地震記録を用いて検証した.
著者
坂井 公俊 盛川 仁
出版者
社団法人 物理探査学会
雑誌
物理探査 (ISSN:09127984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.4, pp.331-338, 2005 (Released:2007-11-02)
参考文献数
25
被引用文献数
2 1

It is important to understand the detailed 3-D subsurface structure to estimate the strong ground motions. For this purpose, we will confirm the usability of the gravity survey and propose a process from modeling the ground structure to estimate of the strong ground motions.The gravity survey has been carried out to estimate the 3-D subsurface structure around the damaged area due to the 1909 Anegawa earthquake. Steep slopes of the bedrock are located around the severely damaged area. On the basis of the estimated 3-D subsurface structure, the strong motions are numerically simulated by using the finite-difference method (FDM). From the results of the simulations, it is shown that the peak ground velocity correspond to the collapse ratio of the wooden structures except for some cases.