著者
木寺 奈織子 山田 響子 有村 隆明 西村 秀紀
出版者
信州医学会
雑誌
信州医学雑誌 (ISSN:00373826)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.11-15, 2010 (Released:2010-07-12)
参考文献数
17
被引用文献数
2
著者
齋藤 学 境澤 隆夫 有村 隆明 西村 秀紀 保坂 典子
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.72, no.6, pp.1422-1426, 2011 (Released:2011-12-25)
参考文献数
11
被引用文献数
2

意識障害を契機に発見されたPTHrP産生肺癌の1例を経験したので報告する.症例は76歳,男性.2007年4月下旬頃より,呼びかけに対する応答が鈍くなったと意識障害を主訴に,同年6月に通院中の近医を受診した.心臓,脳の精査を施行したが,これらに異常は認められなかった.高カルシウム血症と胸部X線検査にて異常を指摘され,当院に紹介となった.諸検査にてPTHrP産生肺癌による高カルシウム血症と診断し,同年8月左下葉切除術および縦隔リンパ節郭清(Node Dissectoin 2a-1:以下ND2a-1)を施行した.術直後に一過性の低カルシウム血症を認めたが,意識レベルや腎機能障害も改善し,術後10日目に退院となった.術後1カ月後の血清カルシウム値,PTHrPは正常化し,intactPTHは改善傾向であった.現在術後3年5カ月経過しているが,再発なく経過している.