著者
有賀 義之
出版者
日本眼光学学会
雑誌
視覚の科学 (ISSN:09168273)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.99-105, 2022 (Released:2023-02-28)
参考文献数
6

快適さを重視した眼鏡の処方という観点から,必要な視機能検査について述べる。なかでも特に基本となる検査として,屈折検査と調節検査について詳しく述べる。調節機能解析装置ではオートレフラクトメータ(オートレフ)を用いているため,測定原理や測定可能な範囲はオートレフの仕様に準拠している。よって,オートレフの仕様を把握し適切な操作方法を身に着けることが,屈折・調節検査の基本となる。また,正確に測定したオートレフの値を用いて,自覚的な屈折検査をフローチャートに従って行っていく。眼鏡処方の前提として,解剖学と眼生理学に精通し,尚且つ屈折と調節を理解している眼科医によって,眼鏡は処方されるべきものであると考える。
著者
有賀 義之 梶田 雅義
出版者
日本眼光学学会
雑誌
視覚の科学 (ISSN:09168273)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.66-71, 2017 (Released:2017-11-03)
参考文献数
5

【目的】累進屈折力レンズ(PAL)のフィッティング不適切例に対し, どのような調整を必要としたかを調査した。また, フィッティングの調整による不具合の改善を他覚的に評価できるか検討した。【方法】対象はPALを処方し2015年5月から1年の間に再来があった患者のうち, 不適切なフィッティングが認められた137名である。そのうちの3名については, PAL装用下のフィッティング調整前後でSpotTM Vision Screener(スポットビジョン)による測定を行い, 等価球面度数(SE)を比較した。【結果】頂点間距離の調整を要したのは84名, 遠用フィッティングポイント(FP)の調整を要したのも84名であった。そのうちの3名6眼の平均SEは調整前-0.56±0.44D, 調整後-0.33±0.47Dで有意差があった(t検定, p=0.0001)。【結論】PALの不具合を訴える場合, 頂点間距離と遠用FPを点検することが重要である。また, スポットビジョンは不適切なフィッティング症例の他覚的評価に有用であることが示唆された。
著者
村本 政忠 有賀 義之 古屋 繁 工藤 芳彰
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第55回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.96, 2008 (Released:2008-06-16)

PC周辺機器には,使用にあたり特別な設定が必要ないものと初期設定や環境設定が必要で,設定の際にPCに関する特別な知識が求められるものもある。メーカは,初期設定や環境設定に関する方法をマニュアルやWEBを通して提供しているが,カスタマサポートセンタへと助言を求めてくるということは,それがうまく機能していないことを示唆している。本研究は,サポートセンタの回答データから,設定そのものやその伝え方の特性を抽出することによって,簡単な設定や情報の伝え方をデザインする方向性を抽出しようとするものである。製品の対象は,「無線LANルータ」「ネットワークメディアプレーヤ」である。 回答データから,オペレータが行った,操作手順の誘導の中から,重複する項目を除いた単文をキーセンテンスとして抽出し,それ同士がどのような順で説明されているかを,有向性をもつ関係を示すものと考え,Dematel法で分析した。問い合せ内容と,その問い合せ内容の際に出現するキーセンテンスとの対応関係にその出現頻度を加えたデータをもとに,コレスポンデンス分析を行った。この結果,一般的な知識で行える設定グループと専門的な知識が必要になる設定グループがあることがわかった。一般的な知識が必要な操作に関しては行えるが,ユーザの知識の欠落から専門的な知識が必要になる操作については行うことができない。このため専門的な知識が必要な操作に関してはサポートが必要である。