著者
朝倉民枝
雑誌
デジタルプラクティス
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.103-116, 2011-04-15

幼児期における上質の喜びの経験が,人生を前向きに捉える礎となり,困難に出あったとき支えになってくれる心の安全基地を育てる.上質の喜びを生む創造・表現活動を支援するおはなしづくりソフトを開発した.まず先に活動全体を設計し,ソフトを支援ツールと位置づけ流れの中に配した.ソフトのみで完結せず他者の関わりを引き出すよう仕向け,装飾的演出や過剰な機能を排し,使いやすくわかりやすい設計を心がけた.おはなしづくりの活動を通して,子どもたちはつくる喜びを味わい,コミュニケーションの基盤を育て,使う側からつくる側に回る体験をする.開発における動機と目的,活用効果,その実現のための設計,実践と普及について述べる.
著者
佐藤 朝美 椿本 弥生 朝倉 民枝
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.229-239, 2013

子どものNarrative Skillの発達には,家族としてのNarrative(Family Narrative:FN)が重要な役割を果たすという.親自身が家族としての経験の意味づけを家族内コミュニケーションにおいて行っていくことが,子どものNarrative Skillにおけるストーリーの意味づけの行為に影響する.本研究では,Family Narrative Consortiumが作成した指標を手がかりに,Digital Storytellingを活用した家族内コミュニケーションの活動をデザインし,FN向上の支援を行った.実証実験の結果,活動により,FNの向上が観察された.一貫性とインタラクションが特に向上した家族には,相手の発言を受け止め,意見を出し合いながらテーマに対する家族の意味を構築している様子がみられた.また,この活動自体の家族にとっての意味を考え,ワークシートの記述を詳細に行っていた.