- 著者
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笹子 三津留
木下 平
丸山 圭一
岡林 謙蔵
板橋 正幸
広田 映五
- 出版者
- 一般社団法人日本消化器外科学会
- 雑誌
- 日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
- 巻号頁・発行日
- vol.22, no.9, pp.2212-2216, 1989-09-01
- 被引用文献数
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26
胃平滑筋肉腫51切除例の治療成績の検討から,本疾患の治療方針について検討した.大きさは1.5〜23cmで5cm未満例が35例,69%を占めた.術式は胃切除21例,局所切除29例,核出術1例であった.手術時に,肝2例,腹膜播種1例,リンパ節1例の転移を認め,再発は局所1例,肝3例,播種2例で,リンパ節再発はない.累積5年生存率は,胃切除群90.5%,局所切除群96.6%であった.核出術の1例は局所および播種再発した.4例が腫瘍死したがすべて5cm以上の例であった.本腫瘍の予後は腫瘍自体の悪性度により決まり,術式の影響は少ない.したがって特に小さい腫瘍においては,局所切除の良好な遠隔成績,リンパ節転移率が低いこと,胃上部に多いことなどを考えると,患者のquality of lifeという面からも局所切除が第1選択術式と思われる.