- 著者
-
木下 恭一
- 出版者
- 一般社団法人 日本物理学会
- 雑誌
- 日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
- 巻号頁・発行日
- vol.48, no.4, pp.248-255, 1993-04-05 (Released:2008-04-14)
- 参考文献数
- 20
地上に住む人類にとって微小重力環境は長い間無縁の存在であった.しかし,ロケット技術の発達によって,長時間継続しての微小重力環境利用が可能になった.こうして,微小重力環境を利用したライフサイエンス実験や材料実験の幕開けを迎えた.我国でも先頃行われた宇宙実験「ふわっと'92」を始め実験計画が目白押であり,将来は宇宙基地への参加も予定されている.ここでは微小重力環境がどのようなものであるかを説明し,その特徴について述べる.さらに,微小重力環境を利用した材料製造のメリット,デメリットについて,特に結晶成長に的を絞って,具体例をあげながら説明する.最後に日本の微小重力利用実験計画の現状と将来展望に触れる.