著者
木下 恵美子 木下 英司 小池 透
出版者
日本電気泳動学会
雑誌
電気泳動 (ISSN:21892628)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.71-79, 2022 (Released:2022-11-02)
参考文献数
40

外来タンパク質を発現には,細胞あるいは無細胞系のタンパク質発現系を利用できる.目的のタンパク質がリン酸化などの翻訳後修飾を要する場合には系の選択が重要である.私たちは,ヒトSrcファミリーキナーゼ(SFKs) 8種類を,2種類の細胞ベースのタンパク質発現系と4種類の無細胞タンパク質発現系で合成し,それらのリン酸化状態をリン酸基親和性電気泳動法Phos-tag SDS-PAGEで解析した.真核細胞由来の系では,発現したキナーゼに翻訳後修飾に基づく複数のリン酸化状態が存在した.それぞれのキナーゼのリン酸化状態は,発現系によって明らかに異なった.キナーゼ活性の有無は,キナーゼと発現系の両方の特性に依存していた.これらの結果は,無細胞タンパク質合成系を利用したプロテオーム解析,特に翻訳後修飾を必要とするタンパク質の解析に対して重要な情報である.
著者
木下 恵美子 山越 純 菊地 護
出版者
公益財団法人 日本醸造協会
雑誌
日本醸造協会誌 (ISSN:09147314)
巻号頁・発行日
vol.89, no.2, pp.126-130, 1994-02-15 (Released:2011-09-20)
参考文献数
20
被引用文献数
2 9

筆者らは醤油のエタノール処理分画物から, 高血圧モデルラットに対し経口投与で顕著な血圧降下作用を示すことを見出し, これが大豆に含まれるニコチアナミンであることを推定した。しかし, この物質は大豆食品の加工方法によっては消滅し, 血圧降下機能も低下する。この種の生体関係の話の内容は難解なものになり勝ちであるが, 極めて平易に解説していただいた。