著者
関矢 信康 笠原 裕司 地野 充時 並木 隆雄 平崎 能郎 来村 昌紀 小川 恵子 橋本 すみれ 奥見 裕邦 木俣 有美子 島田 博文 寺澤 捷年
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.465-469, 2009 (Released:2010-01-13)
参考文献数
18
被引用文献数
1

桂枝加苓朮附湯は『方機』を出典とし,神経痛や関節痛を目標に使用されてきた。今回,我々はクローン病,子宮内膜症,直腸癌術後,急性胃腸炎,メニエル病に対して本方を投与し,奏効した諸例を経験した。本方を処方する際には『皇漢医学』に記載されているように桂枝加芍薬湯と真武湯あるいは苓桂朮甘湯の方意を持つことを念頭に置くことが重要であり,様々な疾患に対して応用が可能であると考えられた。
著者
笠原 裕司 小林 豊 地野 充時 関矢 信康 並木 隆雄 大野 賢二 来村 昌紀 橋本 すみれ 小川 恵子 奥見 裕邦 木俣 有美子 平崎 能郎 喜多 敏明 寺澤 捷年
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.519-525, 2009 (Released:2010-02-23)
参考文献数
16
被引用文献数
4

奔豚と思われた諸症状に呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキスの併用が奏効した症例を6例経験した。5例はパニック障害,1例は全般性不安障害と推定され,6例いずれも,動悸,吐き気,めまい,頭痛やそれらに随伴する不安感などを訴えて,肘後方奔豚湯証と考えられた。呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキスの併用投与で症状軽快し,あるいは肘後方奔豚湯からの変更で症状は再発しなかった。呉茱萸湯エキスと苓桂朮甘湯エキス併用は肘後方奔豚湯の代用処方として奔豚の治療に有効である可能性が示された。