著者
藤原 有子 藤塚 千秋 米谷 正造 木村 一彦
雑誌
川崎医療福祉学会誌 = Kawasaki medical welfare journal
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.186-193, 2013

本調査では,月経期間中の水泳は可能であるという事実に基づき,女子中学生61名を対象とした知識提供の介入指導を行った.知識,意識,行動の変容の3点について検討することを目的とした.先ず,1学期の水泳授業終了後に事前調査として,知識調査と月経期間中の水泳についての考えと水泳授業時の行動を調査した.次に2学期の水泳授業開始前に直接介入指導を行い,その直後に自由記述による感想を求めた.最後に2学期の水泳授業終了後に再度,知識調査と月経期間中の水泳についての考えと水泳授業時の行動を調査した.結果を要約すると以下のようであった.1.介入指導前後の知識は,設問に対する正解率が29.5%から94.1%と有意に高くなった.2.介入指導直後の意識は,自由記述感想から80.3%が月経期間中の水泳について肯定的な考えを記入した3.月経期間中の水泳についての肯定的考えは,介入前に14.7%だったのが介入後37.2%と有意に増加した.4.介入指導前後の行動について,月経期間中に水泳授業へ参加した者の割合で比較したが,有意な 差は得られなかった. これらのことから,介入指導は知識や意識への肯定的働きかけとして寄与したが,行動変容を促すことはできなかった.