著者
木村 悠人 阿南 雅也 高橋 真 林 秀俊 新小田 幸一
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.31, no.4, pp.541-546, 2016 (Released:2016-08-31)
参考文献数
21

〔目的〕LCS患者の着座動作の運動学的特徴を明らかにすることであった.〔対象と方法〕LCS群24人と対照群18人とした.着座動作の動きを,デジタルビデオカメラを用いて撮影し,各体節および下肢関節の角度と角速度,身体重心(COM)を求めた.〔結果〕下方移動相では,LCS群は膝関節屈曲が有意に小さく,体幹傾斜および股関節角速度の加速と減速の切り替え頻度が高かった.後方移動相では,LCS群はCOMの後方移動と骨盤後傾が大きく,膝関節角速度の加速と減速の切り替え頻度が高かった.〔結語〕LCS群の着座動作において,下方移動相では体幹と下肢の協調性が低下しており,後方移動相ではCOMがより後方に変位するために,より大きな膝関節伸展筋力を必要とする戦略をとっていることが示唆された.