著者
木村 慎二 細井 昌子 松原 貴子 柴田 政彦 水野 泰行 西原 真理 村上 孝徳 大鶴 直史
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.206-214, 2018-03-16 (Released:2018-04-20)
参考文献数
29
被引用文献数
2

2011年のNakamuraらの調査では,日本人の慢性疼痛の有症率は約15%で,その患者数は増加傾向である.慢性疼痛は急性痛と異なり,通常の薬物療法が効きにくい例があり,日本整形外科学会の2012年腰痛診療ガイドラインでは,運動療法,小冊子を用いた患者教育,さらには認知行動療法がGrade Aとして強く推奨されている.認知行動療法は,ある出来事に対する認知(考え方)と行動を変えることで,問題への効果的な対処の仕方を習得させる心理教育を踏まえた治療法である.慢性疼痛患者の生活および生きがいを獲得することを目的に,筆者は認知行動療法理論に基づき,「いきいきリハビリノート」を用いた運動促進法を開発し,普及に努めている.
著者
木村 慎二
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.12, pp.908-913, 2016-12-18 (Released:2017-02-14)
参考文献数
33

骨粗鬆症は閉経後の女性に高率に発症し,さらには骨折によるADL障害,寝たきりへと進行する可能性がある.骨粗鬆症に対する運動療法のシステマチックレビューもしくはメタアナリシスで,閉経後女性では骨密度を上昇させることが推奨グレードAで,また,骨折を抑制することは推奨グレードBであると骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン2015年版で述べられている.運動の種類としては,レジスタント(筋力増強を含む)運動,有酸素運動,歩行や太極拳などの軽い動的荷重運動や,ジョギング,ダンス,ジャンプなどの強い動的,および衝撃荷重運動単独,もしくは組み合わせが骨密度の上昇をもたらし,さらに水中訓練,およびダイナミックフラミンゴ療法などのバランス訓練はバランス機能の改善と転倒回数の減少が期待できる.