著者
木村 昌孝
出版者
茨城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010-04-01

フィリピンでは、1986年の民主化以来、民主主義の定着及び発展の文脈において選挙改革が重要事項のひとつであった。本研究は、フィリピンの選挙について、選挙行政研究の立場から、選挙人登録、投票、開票、及び集計の4つの局面におけるICT導入の経緯と現状について把握したうえで、選挙権の保障、不正防止、及び選挙行政の合理性(正確性、効率性、経済性)の3つの観点から分析し評価する。これら3つの要素は多くの場合トレード・オフの関係にあるので、民主政治におけるリーダーシップの正当性に不可欠な選挙の信頼性を損なわないように、様々な要請のバランスをとらなければならない。