著者
石賀 裕明 木藤 武雄 井本 伸広
出版者
地学団体研究会
雑誌
地球科學 (ISSN:03666611)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.10-22e, 1982-01-25
被引用文献数
1

ISHIGA & IMOTO (1980)は丹波地帯の赤色層状チャート層に含まれるPseudoalbaillella群集およびFollicucullus群集について両群集の構成種の変化を報告した.TAKEMURA & NAKASEKO (1981)はAlbaillella科のなかでperforate shellをもち非対称な翼または,"はしご"型の翼をもつことで特徴づけられる放散虫化石について新たにNeoalbaillella属を設定した.筆者らは丹波地帯の2地点および,彦根東部の1地点の灰色層状チャート層から得られたNeoalbaillella属について新たに2種を記載し,Neoalbaillella群集とFoillicucullus群集との生層序学的関係を検討した.Neoalbaillella群集は下位より,Neoalbaillella optima-Albaillella triangularis亜群集, Na. ornithoformis亜群集に2分される.Neoalbaillella群集はFoillicucullus群集よりも層序学的に上位に位置することと,共存するコノドソト化石に基づけば,ガダループ世もしくは,ガダループ世以降の年代を示す.