著者
村田 麻美 田中 章 末永 博
出版者
The Association for Plant Protection of Kyushu
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.38, pp.132-135, 1992

1990~1991年に鹿児島県溝辺町のキャベツの周年栽培地域において,フェロモントラップによるコナガ成虫誘殺数の調査,およびほ場での幼虫および蛹密度の調査を行った。<BR>(1) 春から初夏にかけては5月~6月に発生のピークがみられ,夏期のキャベツの端境期には,ほとんど発生がみられなくなったが,秋には再び増加し9月~12月まで発生が多かった。<BR>(2) 1991年には,糸状菌によるコナガ幼虫の死亡個体が多数確認され,平均の死亡率は30~40%であった。<BR>(3) コナガの発生密度は,キャベツ周年栽培地域では,多くの環境要因の影響を受けながら変動していると考えられるが,1990,1991年の調査では,春期の密度の急増は,気象の影響が大きく,1991年6月の密度減少は,糸状菌による影響が大きいと考えられた。