著者
山内 大典 伊達 健次 遠藤 亮平 溝上 暢人 本多 剛 野﨑 謙一朗 溝上 伸也
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会誌ATOMOΣ (ISSN:18822606)
巻号頁・発行日
vol.59, no.11, pp.626-632, 2017 (Released:2020-02-19)
参考文献数
4

福島第一原子力発電所事故において,非常用交流電源は津波が発電所に到達したと考えられる時刻に集中して喪失していることから,津波が原因で喪失したものと考えている。今回,非常用交流電源設備の設置位置と機能喪失時刻の関係に着目し,津波が原因であるとすることの妥当性について追加検討を行った。検討の結果,非常用交流電源設備までの津波浸入の経路長が長いほど機能喪失時刻が遅い傾向があることが分かり,非常用交流電源は津波により機能喪失したとの従来の推定がより確からしいものとなった。