- 著者
-
本島 直之
関屋 昇
山本 澄子
- 出版者
- 日本理学療法士学会
- 雑誌
- 理学療法学 (ISSN:02893770)
- 巻号頁・発行日
- pp.11570, (Released:2019-09-28)
- 参考文献数
- 34
【目的】立位での大腿拳上運動は日常生活動作と密接な関わりがある。そこで,立位大腿拳上運動を三次元的に解析し,大腿挙上,骨盤傾斜および体幹運動の関係と,それらへの加齢の影響を明らかにすることを目的とした。【方法】対象は健常成人20 名(若年者,高齢者各10 名)とし,運動課題は静止立位と立位からの片脚大腿拳上運動とした。三次元標点計測により体幹傾斜,体幹屈曲,骨盤傾斜,大腿傾斜角度および骨盤と体幹の位置を,床反力計測により足圧中心位置を求め,それらの関係を検討した。【結果】立位姿勢は両群に差は認められなかった。骨盤後傾,骨盤側方傾斜および体幹前屈運動は若年者,高齢者ともに大腿挙上角度に対して一定の割合で直線的に増大し,その割合は高齢者において小さかった。【結論】立位での大腿挙上運動における体幹・骨盤・大腿リズムの存在と加齢の影響が明らかとなり,大腿挙上運動を評価する際に体幹も含めて行う必要性が示唆された。