著者
本間 毅寛
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学
巻号頁・発行日
vol.93, no.30, pp.11-16, 1993-05-19

仕様の分析・定義といった工程を大幅に合理化・標準化する可能性を提供する形式仕様の手法を普及させることは今日の重要な課題である。OBJは代数仕様の手法に基づいたシステムであり、現在までに既に幾つかの実験的処理系が作成され、これらの考え方が実際に実現可能であることが明らかになっている。本研究ではOBJを基に、その実用化に向けて幾つかの側面から基盤を政備する予でである。本稿ではその内容を報告する。
著者
本間 毅
出版者
筑波大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

目的:一般に、トラクタで牽引車両を牽引する場合は、旋回時にトラクタ走行軌跡と牽引車両の走行軌跡に内輪差が生じることが避けられない。この内輪差が作業に影響を与え、時には事故の発生にもつながり安全性の面からも改善が求められている。本研究では、トラクタ前輪の操舵角度に合わせて、ヒッチ点位置を横方向に移動制御する方式によって内輪差の減少させることすなわち牽引車両の追従性の向上を図ることにより、トラクタの牽引作業の作業性、安全性の向上を目的としている。これまで試作機を製作し追従性向上のための実験を行ってきたが、更なる追従性の向上のため作動部分およびプログラムを改良して実験を行った。研究方法:農林技術センター所有のトラクタで牽引車両を牽引して、トラクタ後輪車軸中心部および牽引車両車軸中心部から水滴をたらしながら走行し、水滴跡をそれぞれの走行軌跡とし、軌跡差を計測した。試作機ぞを作動させずヒッチ点を中心に固定した状態(以後、非作動時)とヒッチ点を移動させた場合(以後、作動時)の軌跡差を比較した。研究成果:トラクタ前輪操舵角度を一定に保ち旋回のみを行った結果、操舵角度30度での軌跡差は非作動時の最大64cmに対し、作動時は最大5cmと大幅に減少した。次に、実作業時にも頻繁に行われるU字ターン行った。U字ターンでは、これまでの実験からトラクタの速度に応じて作動の時間を遅延させることにより軌跡差が減少することが解っているため時差をつけた作動試験を行った。また、本試作機では、最大ヒッチ移動量が60cmであるが操舵角度30度で最大移動量を超えるため、操舵角度25度と最大移動量を超えた操舵角度33度の軌跡差を測定した。その結果、非作動時では、ターン頂点とターン終了の中間付近の軌跡差が最も大きく70cmほどであった。操舵角度25度作動時では、最大軌跡差がターン開始付近の6cm。操舵角度33度作動時では、最大軌跡差がターン終了付近の11cmとなった。8の字にターンを行った場合もほぼ同様の結果となり、それぞれの操舵角度で最大軌跡差が2cm大きくなった程度であった。以上の結果から、本方式により追従性が確実に向上することが確認できた。これにより、作業性・安全性の向上が図られるものと考える。