- 著者
-
野口 茜
森山 明穂
峰尾 茂
藤澤 洋子
杉山 まりか
坂口 英
- 出版者
- 日本栄養・食糧学会
- 雑誌
- 日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
- 巻号頁・発行日
- vol.64, no.1, pp.27-33, 2011-02-10
- 参考文献数
- 39
- 被引用文献数
-
2
近年, 肥満予防に対するポリフェノールの有用性がよく論じられている。ボイセンベリーにはアントシアニンやエラグ酸などのポリフェノールが多く含まれているが, 抗肥満作用に関する報告はない。そこで, 5%ボイセンベリー果汁 (BJ) を添加した普通食並びに高脂肪食をWistar系雄性ラット (6週齢) に12週間摂取させ, BJが肥満を予防する作用をもつか試験した。その結果, BJ添加は, 体重増加量, 体脂肪蓄積, 肝臓脂質中の中性脂肪量および総コレステロール量を, 有意に低下させた。また, 各飼料摂取後の血漿中中性脂肪濃度を測定した結果, BJ添加が食後3時間での血漿中中性脂肪濃度上昇を, 有意に抑制した。以上の結果から, ボイセンベリー果汁の摂取は, 高脂肪食摂取による肥満を予防する可能性が示唆され, さらにはメタボリックシンドロームの改善にも有用であると考えられた。