著者
野口 茜 武田 俊之 渡辺 剛 保井 久子
出版者
信州大学農学部
巻号頁・発行日
vol.44, no.1-2, pp.1-8, 2008 (Released:2010-05-07)

毎年冬季に流行するインフルエンザ感染症は、主にA型インフルエンザウイルス(Flu)により発症する。A型Fluは、複数の亜型に分類されることやゲノム変異が頻繁に起こることから、その予防にワクチン接種は完全とは言えず、また抗Flu薬も問題が多い。一方、紅茶や緑茶等の茶フラボノイドは、高いFlu感染阻害作用を有することが注目されている。そこで、我々はアントシアニンなどのフラボノイドを多量に含む果実であるカシスに注目し、その抗Flu作用を検討した。その結果、カシスエキスはFluに対して高い赤血球凝集阻害作用を示し、Flu感染モデルマウスを用いた試験において、発症率を減少させ、生存率を高めた。これらのことから、カシスエキスはA型Fluの予防に有効であると考えられた。また、活性成分の探索のため、カシスエキスを合成吸着樹脂にて分画し、赤血球凝集阻害作用を調べた。その結果、アントシアニン以外の物質が含まれる画分に、強い吸着阻害作用を有する化合物の存在が示唆された。
著者
野口 茜 武田 俊之 渡辺 剛 保井 久子
出版者
信州大学農学部
雑誌
信州大学農学部紀要 (ISSN:05830621)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.1-8, 2008-03

毎年冬季に流行するインフルエンザ感染症は,主にA型インフルエンザウイルス(Flu)により発症する。A型Fluは,複数の亜型に分類されることやゲノム変異が頻繁に起こることから,その予防にワクチン接種は完全とは言えず,また抗Flu薬も問題が多い。一方,紅茶や緑茶等の茶フラボノイドは,高いFlu感染阻害作用を有することが注目されている。そこで,我々はアントシアニンなどのフラボノイドを多量に含む果実であるカシスに注目し,その抗Flu作用を検討した。その結果,カシスエキスはFluに対して高い赤血球凝集阻害作用を示し,Flu感染モデルマウスを用いた試験において,発症率を減少させ,生存率を高めた。これらのことから,カシスエキスはA型Fluの予防に有効であると考えられた。また,活性成分の探索のため,カシスエキスを合成吸着樹脂にて分画し,赤血球凝集阻害作用を調べた。その結果,アントシアニン以外の物質が含まれる画分に,強い吸着阻害作用を有する化合物の存在が示唆された。
著者
野口 茜 森山 明穂 峰尾 茂 藤澤 洋子 杉山 まりか 坂口 英
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.27-33, 2011-02-10
被引用文献数
2

近年, 肥満予防に対するポリフェノールの有用性がよく論じられている。ボイセンベリーにはアントシアニンやエラグ酸などのポリフェノールが多く含まれているが, 抗肥満作用に関する報告はない。そこで, 5%ボイセンベリー果汁 (BJ) を添加した普通食並びに高脂肪食をWistar系雄性ラット (6週齢) に12週間摂取させ, BJが肥満を予防する作用をもつか試験した。その結果, BJ添加は, 体重増加量, 体脂肪蓄積, 肝臓脂質中の中性脂肪量および総コレステロール量を, 有意に低下させた。また, 各飼料摂取後の血漿中中性脂肪濃度を測定した結果, BJ添加が食後3時間での血漿中中性脂肪濃度上昇を, 有意に抑制した。以上の結果から, ボイセンベリー果汁の摂取は, 高脂肪食摂取による肥満を予防する可能性が示唆され, さらにはメタボリックシンドロームの改善にも有用であると考えられた。
著者
野口 茜 森山 明穂 峰尾 茂 藤澤 洋子 杉山 まりか 坂口 英
出版者
日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 : Nippon eiy◆U014D◆ shokury◆U014D◆ gakkaishi = Journal of Japanese Society of Nutrition and Food Science (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.64, no.1, pp.27-33, 2011-02-10
参考文献数
39
被引用文献数
2

近年, 肥満予防に対するポリフェノールの有用性がよく論じられている。ボイセンベリーにはアントシアニンやエラグ酸などのポリフェノールが多く含まれているが, 抗肥満作用に関する報告はない。そこで, 5%ボイセンベリー果汁 (BJ) を添加した普通食並びに高脂肪食をWistar系雄性ラット (6週齢) に12週間摂取させ, BJが肥満を予防する作用をもつか試験した。その結果, BJ添加は, 体重増加量, 体脂肪蓄積, 肝臓脂質中の中性脂肪量および総コレステロール量を, 有意に低下させた。また, 各飼料摂取後の血漿中中性脂肪濃度を測定した結果, BJ添加が食後3時間での血漿中中性脂肪濃度上昇を, 有意に抑制した。以上の結果から, ボイセンベリー果汁の摂取は, 高脂肪食摂取による肥満を予防する可能性が示唆され, さらにはメタボリックシンドロームの改善にも有用であると考えられた。