著者
大野 一典 熊本 悦明 毛利 和富 青木 正治 豊島 真 杉山 善朗
出版者
社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.76, no.10, pp.1486-1492, 1985-10-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
8

機能的 (心因性) インポテンスにおいて, そのパーソナリティーを十分に把握することが本症の診断治療に役立つものと考え, 投影法による心理検査を行った. この場合対照として正常人のみならず, 性染色体異常症である Klinefelter 症候群, 低 androgen 状態である類臣官症についても同様の検討を加えた.機能的インポテンス患者では, 男性としての性的役割, 性的同一視が Klinefelter 症候群, 類宦官症に比較して確立している傾向にあるにもかかわらず aggressiveness が乏しく, 内向的で感情の抑制が強いと言う結果であった. このことから, 機能的インポテンスの治療を行う場合心理学的アプローチにより, aggressiveness 低下という点を改善する必要があると思われた.