著者
松田 安弘 舟島 なをみ 杉森 みど里
出版者
日本看護教育学学会
雑誌
看護教育学研究
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.15-28, 2001

本研究の目的は、男子看護学生の学習経験を説明する概念を創出し、その総体から男子看護学生の学習経験の特徴を明らかにすることである。研究方法論には、看護概念創出法を適用した。データ収集は、看護基礎教育課程を卒業した看護士を対象とし、半構造化面接法を用いて行った。その結果、男子看護学生の学習経験の総体を示す7つの概念を創出した。その概念とは、【卒業要件充足・看護士免許取得に向けた学習進行による成果の獲得】【問題遭遇による学習進行の難渋・停滞とその克服】【学習過程における看護への関心喚起による看護・自己・教育機関への価値づけ】【少数者としての利害受理】【男性としての体面の維持と失墜】【性差の克服と環境への順応】【看護職適性への迷いと進路の決定】である。男子看護学生の学習経験の総体は、男子看護学生が卒業要件の充足を目指す看護学生に共通する経験に加え、青年期の発達課題を達成する学生としての経験、女性多数の環境における少数者としての経験をすることを示した。
著者
舟島 なをみ 杉森 みど里 定廣 和香子 亀岡 智美
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.37-45, 1996-03
被引用文献数
1

本研究は,看護教育制度が大学教育へと移行しつつあるオーストラリア・カナダ・アメリカを対象にその促進要因と阻害要因とを明らかにすることにより,わが国における看護婦養成教育制度改革の基礎資料とすることを目的としている。歴史的研究のデザインを用い,上記3ヶ国の1960年度以降の教育制度改革に関わる文献を分析した。その結果,看護教育制度大学化の促進要因としてオーストラリアから7要因,カナダから4要因,アメリカから4要因が抽出された。また,阻害要因としては,オーストラリアからは7要因,カナダから4要因,アメリカから4要因が抽出された。これらの促進要因のうち,【看護と看護婦養成教育に関する調査・研究報告】【看護婦職能団体の活動】【財政援助を含めた行政府の協力】といった3要因は,3カ国すべてに共通していた。一方,阻害要因においては,【医師をはじめとした他職種および病院協会からの反対】,【看護職能団体を含めた看護職内部の意見対立】といった2要因が3カ国すべてに共通していた。これらの結果から,今後,看護婦養成教育施設や,看護職能団体の活動に関する調査研究の必要性が示唆された。

1 0 0 0 看護教育学

著者
杉森みど里 舟島なをみ著
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
2014