著者
塚本 友栄 舟島 なをみ
出版者
日本看護教育学学会
雑誌
看護教育学研究
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.22-35, 2008
被引用文献数
1 or 0

本研究は、就職後1年以内に退職した新人看護師の経験と、1年以上就業を継続できた新人看護師の経験の比較を通して、退職した新人看護師の経験の特徴を明らかにし、看護基礎および看護継続教育の課題を考察することを目的とする。本研究の第1段階は、看護概念創出法を適用し、半構造化面接法により退職者18名からデータを収集した。持続比較分析の結果、退職した新人看護師の経験を表す60カテゴリからなる15概念を創出した。第2段階も看護概念創出法を適用し、半構造化面接法により継続者20名からデータを収集した。持続比較分析の結果、就業を継続できた新人看護師の経験を表す53カテゴリからなる14概念を創出した。第3段階は、メタ統合を用いて、退職した新人看護師の経験を表す60カテゴリと就業を継続できた新人看護師の経験を表す53カテゴリを比較・統合した。その結果、退職した新人看護師の経験と就業を継続できた新人看護師の経験が、共通する経験、退職者のみに存在する経験、継続者のみに存在する経験の3つに分類できることを明らかにした。考察の結果は、早期退職防止に向けた看護基礎及び看護継続教育の課題として、看護専門職者としての自律的な態度の獲得、自己の客観視、自立した社会人としての責務の理解、問題を解決可能な具体的なレベルで捉えられる能力獲得のための支援が必要であることを示唆した。
著者
松田 安弘 定廣 和香子 舟島 なをみ
出版者
日本看護教育学学会
雑誌
看護教育学研究
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.9-22, 2004
被引用文献数
1 or 0

本研究の目的は、男性看護師の職業経験の説明概念を創出することにより、その総体を明らかにし、看護職集団における少数者である男性看護師の職業経験の特徴を考察することである。研究方法論には、看護概念創出法を適用し、病院に就業する男性看護師23名を対象とした半構造化面接によりデータを収集した。持続比較分析の結果は、男性看護師の職業経験が次の6概念により説明できることを示した。その6概念とは、【I.他者関係の円滑化による孤立回避】【II.期待・関心の享受と喪失による存在意義の模索】【III.付加価値獲得の試みと失敗】【IV.職業選択への迷いと価値づけ】【V.問題克服による看護職者としての自立と役割の拡大】【VI.職業活動と私的活動の均衡維持】である。この内、I、II、IIIは、男性看護師が、大多数の女性看護師とは異なる存在であることを自覚し、自己の異質性の抹消や特異性の発揮に翻弄されるという「看護職集団における性の異なる少数者ゆえの職業経験」をすることを示す。また、IV、Vは、男性看護師が、職業活動を通し、改めて看護職を選択すると共に、様々な問題を克服しながら看護職を価値づけ、自立していくという「性差に関わらない看護師に共通する職業経験」をすることを示す。さらに、VIは、男性看護師が、どのような状況にあっても職業を続けていくことを第一に考え、それを中心に職業活動と私的活動の充実を目指し、安定した生活を築いていくという「成人期の就業男性に共通する職業経験」をすることを示す。
著者
松田 安弘 舟島 なをみ 杉森 みど里
出版者
日本看護教育学学会
雑誌
看護教育学研究
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.15-28, 2001

本研究の目的は、男子看護学生の学習経験を説明する概念を創出し、その総体から男子看護学生の学習経験の特徴を明らかにすることである。研究方法論には、看護概念創出法を適用した。データ収集は、看護基礎教育課程を卒業した看護士を対象とし、半構造化面接法を用いて行った。その結果、男子看護学生の学習経験の総体を示す7つの概念を創出した。その概念とは、【卒業要件充足・看護士免許取得に向けた学習進行による成果の獲得】【問題遭遇による学習進行の難渋・停滞とその克服】【学習過程における看護への関心喚起による看護・自己・教育機関への価値づけ】【少数者としての利害受理】【男性としての体面の維持と失墜】【性差の克服と環境への順応】【看護職適性への迷いと進路の決定】である。男子看護学生の学習経験の総体は、男子看護学生が卒業要件の充足を目指す看護学生に共通する経験に加え、青年期の発達課題を達成する学生としての経験、女性多数の環境における少数者としての経験をすることを示した。
著者
塚本 友栄 舟島 なをみ
出版者
日本看護教育学学会
雑誌
看護教育学研究 (ISSN:09176314)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.22-35, 2008-03-31 (Released:2016-11-10)
被引用文献数
2 or 0

本研究は、就職後1年以内に退職した新人看護師の経験と、1年以上就業を継続できた新人看護師の経験の比較を通して、退職した新人看護師の経験の特徴を明らかにし、看護基礎および看護継続教育の課題を考察することを目的とする。本研究の第1段階は、看護概念創出法を適用し、半構造化面接法により退職者18名からデータを収集した。持続比較分析の結果、退職した新人看護師の経験を表す60カテゴリからなる15概念を創出した。第2段階も看護概念創出法を適用し、半構造化面接法により継続者20名からデータを収集した。持続比較分析の結果、就業を継続できた新人看護師の経験を表す53カテゴリからなる14概念を創出した。第3段階は、メタ統合を用いて、退職した新人看護師の経験を表す60カテゴリと就業を継続できた新人看護師の経験を表す53カテゴリを比較・統合した。その結果、退職した新人看護師の経験と就業を継続できた新人看護師の経験が、共通する経験、退職者のみに存在する経験、継続者のみに存在する経験の3つに分類できることを明らかにした。考察の結果は、早期退職防止に向けた看護基礎及び看護継続教育の課題として、看護専門職者としての自律的な態度の獲得、自己の客観視、自立した社会人としての責務の理解、問題を解決可能な具体的なレベルで捉えられる能力獲得のための支援が必要であることを示唆した。
著者
舟島 なをみ 杉森 みど里 定廣 和香子 亀岡 智美
出版者
千葉大学
雑誌
千葉大学看護学部紀要 (ISSN:03877272)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.37-45, 1996-03
被引用文献数
1 or 0

本研究は,看護教育制度が大学教育へと移行しつつあるオーストラリア・カナダ・アメリカを対象にその促進要因と阻害要因とを明らかにすることにより,わが国における看護婦養成教育制度改革の基礎資料とすることを目的としている。歴史的研究のデザインを用い,上記3ヶ国の1960年度以降の教育制度改革に関わる文献を分析した。その結果,看護教育制度大学化の促進要因としてオーストラリアから7要因,カナダから4要因,アメリカから4要因が抽出された。また,阻害要因としては,オーストラリアからは7要因,カナダから4要因,アメリカから4要因が抽出された。これらの促進要因のうち,【看護と看護婦養成教育に関する調査・研究報告】【看護婦職能団体の活動】【財政援助を含めた行政府の協力】といった3要因は,3カ国すべてに共通していた。一方,阻害要因においては,【医師をはじめとした他職種および病院協会からの反対】,【看護職能団体を含めた看護職内部の意見対立】といった2要因が3カ国すべてに共通していた。これらの結果から,今後,看護婦養成教育施設や,看護職能団体の活動に関する調査研究の必要性が示唆された。

1 0 0 0 看護教育学

著者
杉森みど里 舟島なをみ著
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
2014
著者
服部 美香 舟島 なをみ
出版者
日本看護教育学学会
雑誌
看護教育学研究
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.35-48, 2009

本研究の目的は、クライエントの問題を解決へ導いた看護師の行動を明らかにすることである。研究方法論には、看護概念創出法を適用し、選択的参加観察法(非参加型)を採用して、看護師が問題を予防・緩和・除去のいずれかに導いた現象をデータとして収集した。持続比較分析の結果は、クライエントの問題を解決へ導いた看護師行動が、9概念【情報収集と査定反復による問題解決過程の推進】【問題解決支援に向けたクライエントへの意向確認と協力要請】【問題の優先順位決定に基づくクライエント要請への即座対応と対応順延】【クライエント独力による問題解決に向けた助力と激励】【原則に則した手段による問題解決と個別状況に即した問題解決手段考案】【問題解決支援に伴う新たな問題発生予測と未然防止のための手段多用】【医療チームメンバー協議による問題解決支援への合意形成と共同】【クライエント拒絶手段受け入れへの説得と説得不可による手段強行】【効果判定による問題解決支援継続と中断】を用いて表せることを明らかにした。考察の結果は、クライエントの問題を解決へ導くために、看護師が問題解決過程を推進するとともに、その全過程を通して、緻密かつ高頻度に情報収集と査定を行っていることを示唆した。また、問題解決過程を推進するためには、さまざまな能力を習得する必要があることをも示唆した。
著者
亀岡 智美 中山 登志子 舟島 なをみ
出版者
独立行政法人国立国際医療研究センター
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28 (Released:2011-08-05)

本研究は、チーム医療の要である看護師が専門性発揮状況の自己評価に活用できる尺度の開発をめざす第一段階として、他職種と協働・連携する中、看護の専門家の立場から意識的に展開している実践を解明した。全国45病院の看護師902名を対象に質問紙調査を行い、収集したデータを質的帰納的に分析した。結果は、看護師が、看護の専門家の立場から意識的に展開している実践35種類を明らかにした。それは、〈患者の個別状況を考慮しながら健康上、生活上の問題解決を支援する〉、〈患者や家族の心情、苦痛や本音を聞き出し、必要な人物に代弁して伝える〉等である。このような本研究の成果は、最終目的とする尺度開発の基盤となる。
著者
片田 範子 舟島 なをみ 鈴木 千衣 筒井 真優美 及川 郁子 常葉 恵子 平林 優子
出版者
聖路加看護大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1990 (Released:1990-04-01)

本研究は、現在の小児看護の実態を把握し、入院する小児に必要な看護ケアシステムを将来に向けて考察する目的で3年間に渡り行われた。1.混合病棟でケアされている小児の実態と質問紙の作成(平成2年度)東京近郊の病院の混合病棟での小児看護を質的に参加観察法や聞き取り調査を用いて検討し、その結果を踏まえて質問紙の作成を行った。2.小児の入院状況と看護婦の援助の必要性の質問紙調査(平成3年度)質問紙調査は、全国300床以上の総合病院から回答を得られた434病院で、小児専門病棟および成人との混合病棟の双方に入院している子どもを持つ親、看護婦(病棟婦長、看護部長を含む)、混合病棟の成人患者を対象に行われた。平成3年度に調査を実施し、平成4年にかけて分析を行った。分析結果は多岐に渡って得られ、平成4年には学会発表を行った。母親と看護婦の期待することのずれや、付き添っている者の疲労などの問題が存在し、これからの看護に望まれることが浮き彫りになった。また、小児をケアする看護婦の多くが、親との関りかた、成長発達に沿った援助、精神的支援などの領域で相談する人が欲しいと思っていた。3.小児リエゾンの導入と評価(平成4年度)「個々の小児の成長発達に合った看護の実践上の問題を中心に、小児を看護する看護婦に小児リエゾン的かかわりを持ちその評価を行う」ことを今回の導入の目的とし、平成4年には協力の得られた4病院で小児を看護している看護婦32名を対象にリエゾン・コンサルテーションを行った。来談の理由の主なものは「患児の生活や精神面の看護」、「小児看護をする自分について」、「家族の看護」についてと、事前調査と同様の結果であった。継続的にリエゾンシステムを活用し、看護婦が自分達の行っていることを定期的に見直し、解決の糸口を日常とは異なった面から検討する機会をもつことの意義が示された。
著者
芳我 ちより 舟島 なをみ
出版者
日本看護教育学学会
雑誌
看護教育学研究
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.15-28, 2007

本研究の目的は、学生間討議を中心としたグループ学習に必要な教授活動を明らかにすることである。研究方法論には看護概念創出法を適用し、参加観察法(非参加型)を用い、グループ学習中の教員・学生間及び教員間の相互行為場面をデータとして収集した。持続比較分析の結果は、グループ学習における教員の行動が12概念【目標達成に向けた計画周知のための授業概要と意義説明】【集団から個へ、個から集団への視野縮小と拡大反復】【主体的学習尊重による関与保留と手がかりの提供による主体的学習推進】【授業進行可否決定に向けた学習状況の把握】などを用いて表せることを明らかにした。考察の結果は、グループ学習において教員が、1)目標達成に向け、学生の主体的な学習を中心に据えながらも、適切なタイミングを図り介入する、2)学生個々が達すべき目標と、集団によって達成すべき目標を明確に設定し、両者の目標達成度を常に視野に入れる、3)学生の目標達成度を向上または、集団内の目標達成度を均衡化するために、予め立案した指導計画を査定し、修正する、4)学生の要望の受け入れや緊張緩和により相互行為を円滑に展開する、5)不測の事態や対応困難な場面に遭遇する可能性を想定し、準備状態を整えるとともに、状況に応じて他の教員と協働する必要性を示唆した。
著者
三浦 弘恵 舟島 なをみ 鈴木 恵子 Miura Hiroe Funashima Naomi Suzuki Satoko ミウラ ヒロエ フナシマ ナヲミ スズキ サトコ
出版者
千葉看護学会
雑誌
千葉看護学会会誌 (ISSN:13448846)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.31-37, 2005-06-30
被引用文献数
1 or 0

本研究の目的は,在宅における看護実践を自己評価するための尺度を作成し,その信頼性・妥当性を検証することである。本研究は,在宅看護を家庭で療養するクライエントとその家族に対し,その居宅を中心とする通常の生活の場において看護職者が健康上の問題を解決・回避できるよう支援する活動と定義する。尺度の開発は,(1)在宅看護場面における看護職者の行動を説明する6概念を基盤とした質問項目の作成と尺度化,(2)質問項目の内容的妥当性の検討と修正,(3)調査実施による質問項目の分析・選定,(4)選定項目により再構成した尺度の信頼性・妥当性の検討の4段階の手続きを経た。調査に用いた測定用具は,6下位尺度48質問項目から成る自己評価尺度であり,対象は無作為に抽出した保健所・市町村,訪問看護ステーションに就業し,在宅看護に携わる看護職者656名であった。質問紙回収数は380部(回収率57.9%)であり,このうち全質問項目に回答のあった311部を分析対象とした。クロンバックα信頼性係数,項目間相関,I-T(項目-全体)相関の分析,因子分析の結果に基づき合計18項目を削除し,30項目を選定した。再構成した尺度全体のクロンバックα信頼性係数は0.95であり,尺度が内的整合性を確保していることを示した。また,因子分析の結果は,尺度が構成概念妥当性を確保していることを示した。The purpose of this study was to develop Self-Evaluation Sacle on Home Health Care Nursing, which had reliability and validity. The scale was constructed six subscales, which were findings of the previous research. The previous research was conducted qualitatively and inductively to conceptualize nurses' behavior in home health care nursing. As a result of continuing comparative analysis, six explanatory concepts emerged. They were positioned six subscales. Every subscale was constructed with eight items made from the bottom of the concepts. Expert panel discussion and pilot study were conducted to establish content validity. Self-Evaluation Sacle on Home Health Care Nursing was 5-point Likert Scale with forty-eight items. The instrument packets, including the scale and a demographic questionnaire, were distributed to 656 nurses of 66 health centers and communities, and 38 visiting nursing stations which were randomly sampled. 380 (57.9%) nurse responded, and 311 valid data were analyzed. The 30 items were selected based on the result of item analysis. Chronbach alpha of the item-select version was .952. Factor analysis was used test construct validity of it. The result shows that item select version based on 6 explanatory concepts of home health care nursing, and then the construct validity was confirmed.