著者
李 三洙 小林 重敬
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.39.3, pp.745-750, 2004-10-25 (Released:2017-08-02)
参考文献数
8

本論文は最もエリアマネジメント活動の歴史が長く、また特に近年、様々な開発と地域管理を一体として意識して都市づくりを進めている地区である大丸有地区に焦点を絞って、エリアマネジメント活動の詳細な分析を行う。長期間にわたるエリアマネジメント活動の展開を明らかにするため、活動をいくつかの時期に分けて、それらの活動内容や活動を進めている主体や関連組織の展開に関する特徴を示す。さらに、エリアマネジメントの活動展開の評価とそれらの活動が抱えている現在の課題を具体的に分析することで、今後エリアマネジメントの活発な活動を通じて地域の魅力と競争力を高めるための基礎的知見を得ることを目的とする。1950年代から現在までの開発から地域管理までの幅広い範囲を対象に、文献や資料やヒアリング等を通じて分析した。本研究の内容は、開発の側面から都心関連政策の変遷と街並みに関わる地区の自主対応、エリアマネジメントの全般的な活動(開発と地域管理)の展開、地域管理の側面から活動内容と主体及び組織と組織間の関係の展開、そして、そのような活動に必要な組織の活動財源等の特徴と課題等である。