- 著者
-
田畑 美織
松本 延幸
村上 康郎
水上 智
松本 勲
- 出版者
- 日本臨床麻酔学会
- 雑誌
- 日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
- 巻号頁・発行日
- vol.24, no.6, pp.206-211, 2004 (Released:2005-03-31)
- 参考文献数
- 20
突発性難聴64例に星状神経節ブロック(SGB)と上頸神経節(SCG)近傍への低反応レベルレーザー照射を併用したところ(SGB+C2レーザー群), SGB単独の62例(SGB群)と比較して治療成績が向上した. 治療効果の判定は, 初診時とほぼ安定状態に達した時点の聴力を比較し, 治癒, 著明回復, 回復, 不変に分類した. その結果, SGB群(治癒 : 11%, 不変 : 27%)に比べSGB+C2レーザー群(治癒 : 30%, 不変 : 8%)で聴力改善度は有意に上昇した(p<0.01). 固有蝸牛動脈より末梢にはSCGからの交感神経線維が分布しており, SCGへのレーザー照射併用により, SGB単独よりさらに広範な交感神経線維が遮断されたものと思われる.