著者
大倉 元宏 村上 琢磨 清水 学 田内 雅規
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-8, 1995-02-15 (Released:2010-03-11)
参考文献数
10
被引用文献数
5 10 3

視覚障害者の日常生活の範囲を広げ, 社会の一員としての活動を促進するには, 普通の人と同じように単独で鉄道を利用できることが大きな推進力となる. しかしながら, 現状の鉄道駅の環境は視覚障害者にとって必ずしも十分整備されているとはいいがたく, 様々な困難や危険に遭遇する可能性が高い. 事実これまでにも, プラットホームから転落して列車にはねられ, 重篤な損傷を被った事故が数多く報告されている. 我々は視覚障害者の駅プラットホームからの転落事故について多数の事例を収集してきた. 本研究では, これらの事故を視覚障害者の基本的歩行特性や環境要因との関連から分析し, 歩行環境の改善や人的援助の導入を中心にして, 事故防止策に関して提言を行う.