著者
中埜 拓 村上 雄二 佐藤 則文 川上 浩 井戸田 正 中島 一郎
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.37-42, 1995-02-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
22

カゼイン組成がカード形成状態や消化性に及ぼす影響を調べた。ウシα-カゼインに酸を添加すると粗大なカードが形成されたが, ウシβ-カゼインならびに人乳カゼインではカードが微細であった。乳児の消化管内を想定したpH 4.0のペプシン分解およびそれに引き続くパンクレアチン分解を行うと, ウシβ-カゼインがウシα-カゼインに比べ速やかに消化された。ラットによる消化試験では, ウシβ-カゼインがウシ全カゼインに比べ分解されやすく, 胃内滞留時間が短かった。以上のことから, カードはβ-カゼインのように微細であるほど, 消化されやすいこと, また胃から速やかに小腸に移行することが示唆された。
著者
中埜 拓 島谷 雅治 村上 雄二 佐藤 則文 井戸田 正
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.195-201, 1994-06-10 (Released:2010-02-22)
参考文献数
13
被引用文献数
5 9

WPPの消化吸収性について, 消化酵素を用いた人工消化試験ラットを用いた消化性および腸管から血中へのアミノ酸移行速度等を素材であるWPCと比較した。ペプシン・パンクレアチン連続処理では, 両者ともほぼ同様な分子量分布に分解された。しかし, ペプシンまたはパンクレアチンのどちらか一方の酵素で処理した場合には, WPCは高分子画分の分解が不完全であった。胃ゾンデを用いたラットによる消化吸収試験では, WPP群は, 投与7分後で胃内容物が大きく減少し, これに対応して血漿遊離アミノ酸濃度も有意に上昇した。一方, WPC群の血漿遊離アミノ酸濃度は30分後にピークが現れた。このため, WPPは生体内での消化吸収性が優れていると考えられた。また, WPP投与時の血漿遊離アミノ酸濃度は, 投与後7分以降急激に減少することから, 吸収された遊離アミノ酸は血液から各組織へ速やかに移行し, 組織で利用されていると考えられた。