著者
村上 雅子 原 毅
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.62, no.9, pp.493-500, 2019-09-30 (Released:2019-09-30)
参考文献数
10

メトホルミン(以下Met)は2型糖尿病(以下T2DM)治療に,本邦では従来1回250 mgを1日2-3回内服が多く,同一用量を1日1回内服(以下分1)に変更時血糖動態や有効性の比較検討には乏しい.そこでMet250 mg 2回(以下分2)から500 mg分1に変更時の血糖動態の比較,安全性の検討目的で,入院中T2DM 30例で,Met分2から分1朝又は夕に変更し,各2日毎,計6日間の血糖動態を持続血糖モニターで比較した.24時間平均血糖はそれぞれ,135.1,135.0,134.8,137.4,141.9,141.3 mg/dL,平均空腹時血糖はそれぞれ,121.9,121.4,123.9,125.7,126.2,124.5 mg/dLで,血糖変動幅を含めて有意な上昇を認めなかった.T2DMにおいてMet500 mg分2から分1への変更は,血糖動態の悪化や有害事象もなく有用と考えられた.