著者
中尾 雄太 大西 英雄 遠藤 優有美 城本 修 村中 博幸
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.146-154, 2014 (Released:2014-05-28)
参考文献数
13
被引用文献数
1

われわれは,音刺激への注意喚起における脳賦活領域を同定するために,fMRI(functional magnetic resonance imaging)を用いて,「聴く」と「聞く」における脳賦活領域を定量的に比較検討した.さらに,自作したソフトウェアを用いてMR画像の賦活領域の体積を算出し,各領域における賦活程度を比較した.聴覚障害を認めない健常成人12名(男性5名,女性7名)に対して,男性話者と女性話者の単音節聴取課題,雑音下聴取課題を行った.その結果,音刺激へ注意を喚起すると,前頭前野,縁上野,帯状回が賦活することが示唆された.また,同性話者より異性話者の声に注意を喚起したほうの脳活動が活発になると示唆された.
著者
中尾 雄太 大西 英雄 遠藤 優有美 城本 修 村中 博幸
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.146-154, 2014

われわれは,音刺激への注意喚起における脳賦活領域を同定するために,fMRI(functional magnetic resonance imaging)を用いて,「聴く」と「聞く」における脳賦活領域を定量的に比較検討した.さらに,自作したソフトウェアを用いてMR画像の賦活領域の体積を算出し,各領域における賦活程度を比較した.聴覚障害を認めない健常成人12名(男性5名,女性7名)に対して,男性話者と女性話者の単音節聴取課題,雑音下聴取課題を行った.その結果,音刺激へ注意を喚起すると,前頭前野,縁上野,帯状回が賦活することが示唆された.また,同性話者より異性話者の声に注意を喚起したほうの脳活動が活発になると示唆された.
著者
髙山 みさき 大西 英雄 城本 修 村中 博幸
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.143-151, 2017 (Released:2017-05-31)
参考文献数
17
被引用文献数
1

平仮名と片仮名の文字刺激処理における脳活動に差があるか,fMRI(functional magnetic resonance imaging)を用いて検討した.健常成人17名(平均年齢21.4±0.5歳)を対象に,平仮名または片仮名で表記した高親密度単語および低親密度単語の音読を行い,課題遂行時の脳賦活部位と脳賦活量を評価した.両課題に共通して,両側上前頭回,両側内側前頭回,両側中側頭回,左紡錘状回,左角回,左帯状回の賦活を認め,平仮名課題では,両側下側頭回,両側楔前部,左後方帯状回に,片仮名課題では,両側下前頭回,左下側頭回,右中心後回,左前方帯状回に賦活が観察された.脳賦活量は平仮名が片仮名を上回り,高親密度課題で13.1倍,低親密度課題で2.7倍を示した.平仮名および片仮名の音読時における脳活動は共通する点が多く,二重神経回路仮説における背側経路を介して処理されるが,文字刺激処理における処理負荷は平仮名のほうが強いと示唆された.