- 著者
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大西 晃生
山本 辰紀
村井 由之
池田 正人
- 出版者
- 産業医科大学学会
- 雑誌
- 産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
- 巻号頁・発行日
- vol.14, no.3, pp.235-240, 1992-09-01
末梢神経障害のない134(年齢11-87歳;男66,女68)名における四肢遠位部の冷覚および温覚弁別閾値を, Thermal Threshold Testerを用いて評価し, 患者の感覚障害の病態および重症度の把握に有用な基礎データを得ることを目的とした. 基礎データとして, 各年代毎に, 前腕遠位部(上肢)と足背部(下肢)における各弁別閾値の平均値およびその予測95%信頼限界の上限値を得た. 上・下肢のいずれの閾値も, 加齢とともに明らがな上昇を示した(P<0.0001). 感覚障害を呈する患者の感覚機能の評価には, 年齢に応じた正常対照値との比較検討が重要であると判断された. 6名の志願者(21-66歳)において, 各弁別闇値の評価を約3週間の間に6回繰り返し, 各人毎に繰り返し閾値評価のreliabilityが高い(級内相関係数0.78-0.96)ことを明らかにした.(1992年5月6日 受付,1992年6月15日 受理)