著者
村井 直樹
出版者
国立研究開発法人日本原子力研究開発機構
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2022-04-01

超伝導相と共存・競合する電荷密度波(CDW)の存在は, 従来型・非従来型を問わず, 様々なタイプの超伝導体で観測されている. 本研究課題では, J-PARC,SPring-8の最先端の非弾性分光技術を駆使した超精密なフォノン分散測定を行い,CDW秩序の起源となる電子格子相互作用の定量的評価を行う. 特に,遷移金属カルコゲナイド, 銅酸化物高温超伝導体という性質の大きく異なる2系統のCDW-超伝導共存物質を対象としたフォノン分光測定を行い,CDW 転移の「普遍性」と物質に依存する「個別性」を抽出することで,物質間の違いを超えて,CDW不安定性の起源を統一的に理解する.
著者
村井 直樹 野口 悠暉 山田 崇恭
出版者
一般社団法人 日本計算工学会
雑誌
日本計算工学会論文集 (ISSN:13478826)
巻号頁・発行日
vol.2021, pp.20210009, 2021-05-21 (Released:2021-05-21)
参考文献数
39

本論文では,高材料定数比均質化法とレベルセット法に基づくトポロジー最適化法を組み合わせた方法論を提案し,電磁メタマテリアルのユニットセル構造の最適設計を行う.高材料定数比均質化法は,メタマテリアル内を伝搬する波動の振る舞いを厳密に評価可能な手法であり,広い周波数帯で有効である上に従来の均質化法では困難であった局所共振現象の評価が可能である点を特長とする.まず,高材料定数比均質化法について概説した上で,ユニットセル構造を設計変数とし,均質化係数を目的関数とする最適化問題を定式化する.次に感度解析を行い,最適化に必要な設計感度を形状感度とトポロジー導関数の概念に基づき導出する.数値解析例では,負の透磁率を示すユニットセル構造の最適化例を示す.さらに,得られた最適構造を周期的に配列させたメタマテリアルに対してヘルムホルツ方程式によるマクロ応答の解析を行い,提案手法の妥当性を示す.