著者
山田 哲夫 船橋 亮 村山 鐵郎
出版者
一般社団法人 日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科学会雑誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.554-559, 2005-07-20 (Released:2010-07-23)
参考文献数
14

(目的) 線維筋痛症 (FM) は米国において間質性膀胱炎 (IC) の約10%に合併するとされているが本邦ではほとんど知られていない. 我々も米国とほぼ同様な割合で合併例を経験した. 合併例の実情と意義について報告する.(患者と方法) 患者はICに関する1987年 National Institute of Diabetes, Digestive and Kidney Diseases (NIDDK) とFMに関する American College of Rheumatology (ACR) の診断基準を満たした過去4年間における30例で, これらの臨床所見の検討を行った.(結果) ICの symptom index と problem index の平均は各々14.9と14.6で, ACRの診断基準における圧痛点の平均は16ヵ所であった. 患者全体で9ヵ所の診療科を受診し, 患者の38%が精神病でないにも関わらず精神科受診を余儀無くされていた. 両疾患は疹痛閾値の低下やび漫性の痛み, 症状の増悪因子, 治療法などに類似点が認められた.(結論) ICの約11%がFMを合併し, 合併例は病状を理解されず全身の激しい痛みに耐えていた. ICとFM患者の臨床所見において共通点が多く認められた.
著者
山田 哲夫 船橋 亮 村山 鐵郎
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.96, no.5, pp.554-559, 2005-07-20
参考文献数
14
被引用文献数
1

(目的)線維筋痛症(FM)は米国において間質性膀胱炎(IC)の約10%に合併するとされているが本邦ではほとんど知られていない.我々も米国とほぼ同様な割合で合併例を経験した.合併例の実情と意義について報告する.(患者と方法)患者はICに関する1987年National Institute of Diabetes, Digestive and Kidney Diseases (NIDDK)とFMに関するAmerican College of Rheumatology (ACR)の診断基準を満たした過去4年間における30例で, これらの臨床所見の検討を行った.(結果)ICのsymptom indexとproblem indexの平均は各々14.9と14.6で, ACRの診断基準における圧痛点の平均は16カ所であった.患者全体で9カ所の診療科を受診し, 患者の38%が精神病でないにも関わらず精神科受診を余儀無くされていた.両疾患は疼痛閾値の低下やび漫性の痛み, 症状の増悪因子, 治療法などに類似点が認められた.(結論)ICの約11%がFMを合併し, 合併例は病状を理解されず全身の激しい痛みに耐えていた.ICとFM患者の臨床所見において共通点が多く認められた.