著者
今内 覚 大橋 和彦 村田 史郎 田島 誉士
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-11-18

増加する牛白血病ウイルス(BLV)による地方病牛白血病は、現在、日本の畜産生産上深刻な問題となっている。本研究ではBLVに新規感染した牛の感染源と媒介昆虫対策による感染阻止効果について検討した。新規感染した牛のBLV遺伝子(env遺伝子)を解析した結果、BLV陽性牛群内でリンパ球増多症を呈するウイルス量が多い牛の遺伝子と一致し、BLVの感染伝播においてハイリスク要因であることが示唆された。一方、吸血昆虫対策を実施した結果、新規感染は認められなかった。このことから、高ウイルス保有牛は感染源になりやすいこと、および昆虫対策は感染伝播阻止に有効であることが示された。