著者
広田 喜一 村田 宮彦 新宮 興
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.1125-1127, 2020-11-01

酸素は麻酔・集中治療にかかわる者にとって最も重要なガス状分子です1)。酸素が,ミトコンドリアでの酸化的リン酸化によるATP産生に必須な分子であると同時に,活性酸素の発生を通じて組織障害を引き起こす可能性をもつという両義性のある分子だからです2)。2019年のノーベル生理学・医学賞は,酸素が足りない状態である低酸素の感知機構の基礎研究に与えられました3,4)。臨床現場で麻酔科医は,動脈血の酸素濃度をガス分析またはパルスオキシメータで頻繁にというか常時確認しながら患者管理を行っています。本稿は,この酸素の運搬に深くかかわる論考です。
著者
村田 宮彦
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

体液カルシウム恒常性は従来はホルモン性の制御によると考えられていた。しかしながら、実験的にひきおこされたカルシウム低下ではそれらのホルモン性制御に先立ってカルシウム濃度の上昇が始まっていた。低下した血液カルシウム濃度は腎臓を通り抜ける間に急速に、秒単位で、正常化されていることが示された。この反応はPTHや活性型ビタミンDには依らず、組織自律的なものである。この恒常性効果はalpha-klothoのホモ/ヘテロノックアウトマウスで減弱する。