著者
東 学 石田 克成 松原 真奈美 林 裕司 坂根 潤一 鈴木 俊紀 古屋 周一郎
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.3, pp.438-444, 2020-07-25 (Released:2020-09-05)
参考文献数
11
被引用文献数
1

病理組織診断は,医療において最終診断となる重要な役割を果たし,この診断根拠となる病理組織標本の質を担保することは,病理組織検査に従事する検査技師の責務である。しかしながら,病理組織検査においては,染色方法や技量により個人間差や施設間差を生じやすく,特に標本の染色色調については病理専門医の色好みが加わるため,標準化が難しい分野でもある。一般社団法人日本臨床衛生検査技師会病理精度管理ワーキンググループでは,診断に適正な標本が作製されていることの確認と,標本作製過程に対する考え方の統一化及び良質な診断標本作製のための情報共有化を目的として,1972年より外部精度管理事業を開始した。その間,13回の二次サーベイランスを含む25回の染色サーベイランスと,16回のフォトサーベイランスに附随して26回の病理検査業務に関するアンケート調査を行ってきた。2011年度より染色サーベイが廃止され,現在ではフォトサーベイのみの外部精度管理となったが,多くの施設状況を確認し,最低限の知識の浸透を図るため,設問提示方法に様々な工夫を加えてきた。2017年の医療法改正に伴い,外部精度管理を受審する施設の多様化が予想され,今後更なる改善を重ね質の高い病理診断に寄与していきたい。
著者
伊東 学 赤澤 敏之 放生 憲博
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

超音波溶解析出法により市販多孔性バイオセラミックスを部分溶解後、材料表面にリン酸カルシウム微結晶を析出させ、骨形成蛋白質(rhBMP-2)の吸着徐放性を制御し、生体吸収性と骨誘導能に優れたリン酸カルシウム系セラミックスを開発した。バイオセラミックスの表面改質方法として、輸液中の超音波処理技術を確立し、その抗生物質(セファゾリン)吸着徐放性を解明した。組織誘導再生に適当な生体模倣性アパタイト/コラーゲン複合材料を合成し、良好な生体吸収性を立証した。臨床感染巣の新しい定量的評価法の確立には、8例の難治性脊椎感染患者に対して、FDG-PETCTによる感染重症度マッピングの作成を行った。