- 著者
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東山 明子
丹羽 劭昭
- 出版者
- 一般社団法人 日本体育学会
- 雑誌
- 日本体育学会大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.68, pp.100_1, 2017
<p> 笑いがパフォーマンスにポジティブな影響を与えることが様々な研究から明らかにされてきている。笑顔に関係する表情筋の中で最も重要な働きを司る大頬骨筋の収縮により、口角を引き上げ、笑顔になる。</p><p> そこで心理的要因や快感情からの笑いではなく、口角を上げるだけ、あるいは逆に下げるだけでの影響の程度を検討した。健常な大学生男女20名を対象とし、連続数字の加算作業による精神的負荷のかかる状況において、口角の指示なし、口角上げ、口角下げの3条件で行い、優勢前額皮上電位、心拍数、注意力正答率、状態不安得点について、比較検討した。その結果、心拍数では、口角上げによる鎮静効果は特に見られなかったが、優勢前額皮上電位は口角上げと下げの両条件で口角指示なしよりθ3波が減少する傾向が見られ、注意力正答率は口角上げが口角下げより高い成績を示す傾向が見られ、状態不安得点は口角指示なしより口角上げのほうが低かった。口角を上げることは不安減少と注意力向上に効果があることが示唆された。</p>