著者
二川 健 東端 晃 石岡 憲昭
出版者
宇宙航空研究開発機構
雑誌
宇宙航空研究開発機構研究開発報告 (ISSN:13491113)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.9-12, 2006-03

本研究では,これまで多く指摘されている宇宙空間での筋萎縮に注目し,無重力による筋萎縮の新規メカニズムを実証し,その予防の可能性を探ることを目的としている.平成17 年度では,ISS におけるフライト実験実施に向けた実験計画のベースライン化を目指し,次に挙げる地上予備研究を行った.(1)宇宙実験施行時に合わせたRNA 回収条件を確立するため,ISOGEN を用いた時とRNA Later を用いた時の回収率の違いを検討,(2)筋萎縮に重要なユビキチンリガーゼCbl-b の発現調節機構を明らかにするため,酸化ストレスと3D クリノローテーションによるCbl-b の発現調節を解析,(3)骨芽細胞におけるユビキチンリガーゼCblbの機能として,ユビキチンリガーゼCbl-b が無重力による筋萎縮だけでなく,骨萎縮にも重要な働きをしていることを明らかにした.
著者
大森 正之 石岡 憲昭 東端 晃
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

宇宙環境下での光合成活性の測定を目指して、宇宙実験用にJAXAにより開発された全自動型微細藻培養装置を用い、藍藻スピルリナ(Arthrospira platennsis)を実験材料として地上での準備研究を行った。スピルリナは6日間の培養により、クロロフィル量では約9倍、タンパク質量にして約9倍に増加した。光合成活性は、酸素の発生量およびH218Oから発生した酸素の同位体比の変化、また13Cの取り込み量により測定した。その結果、光合成活性が高い精度で測定できることが実証された。宇宙利用を想定したナノバブル水は、ハンドミキサーで作成できた。ナノバブル水は藍藻Anabaenaの増殖を促進した。