著者
池田 俊明 杵崎 のり子
出版者
奈良学園大学
雑誌
奈良学園大学紀要 = Bulletin of Nara Gakuen University (ISSN:2188918X)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.1-12, 2016-09

我が国においては、以前より、児童生徒の学習意欲および自己評価の低迷が指摘され、いわゆる「やる気のなさ」が問題視されている。しかし、筆者が複数の小学校で行った児童からの聞き取り結果を、古典的動機づけ理論および近年の無意識研究の成果に照らして鑑みると、彼らの状況は「やる気はある、しかし取り組めない」と評価する方が妥当であると考えられる。そこで、無意識主の行動決定モデルのもと、意識、無意識両方に働きかけ、児童らが既に持っている学習意欲を抑え込まれた状態から解放し、行動へと繋がりやすくすることを目的に、学習ゲーム体験を軸とした一連のワークショップをデザインし、これを「やる気解放指向アプローチ」と名付けた。このアプローチを児童(小学4、5年生140人)に試みた結果、アンケートにおいて82.9%の児童に勉強観・自己評価の前向きな変化が見られ、48.6%の児童が、以前よりも勉強を頑張れるようになったと回答した。これらの結果は、やる気解放指向アプローチの有効性、およびその実施のためのツールとしての学習ゲームの有用性を示唆している。
著者
杵崎 のり子 川崎 廣吉 高須 夫悟 重定 南奈子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.37, pp.19-22, 2001-05-10

近年,道路や建物などの人為的な環境攪乱による生物の生息域分断化が種の存続に大きな影響を与え,不均質環境における生物の存続や侵入の問題は保全生態学観点からも極めて重要な課題となっている.そこで本研究では,不均質環境に対する生物の侵入問題に対して解析的なアプローチを試みた.つまり,帯状の好適環境と不適環境とが周期的にあらわれる2次元帯状分断環境を取り上げ,これに拡張Fisher モデルを適用して分布拡大過程の数学的な解析を行った.特に,少数の生物がある点に侵入した場合に帯状分断環境を伝播する速度と分布拡大パターンを解析的に描く手法を提出する.Environments for living organisms are often fragmented by natural or artificial habitat destruction. To simulate the range expansion of a single species in such a heterogeneous environment, we present a diffusion-reaction equation in which the rates of diffusion and reproduction periodically fluctuate between favorable and unfavorable habitats arranged in a striped pattern. Using this model, we derive a mathematical formula for the invasion speed together with the spatio-temporal pattern of range expansion.