著者
杵崎 のり子 川崎 廣吉 高須 夫悟 重定 南奈子
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.37, pp.19-22, 2001-05-10

近年,道路や建物などの人為的な環境攪乱による生物の生息域分断化が種の存続に大きな影響を与え,不均質環境における生物の存続や侵入の問題は保全生態学観点からも極めて重要な課題となっている.そこで本研究では,不均質環境に対する生物の侵入問題に対して解析的なアプローチを試みた.つまり,帯状の好適環境と不適環境とが周期的にあらわれる2次元帯状分断環境を取り上げ,これに拡張Fisher モデルを適用して分布拡大過程の数学的な解析を行った.特に,少数の生物がある点に侵入した場合に帯状分断環境を伝播する速度と分布拡大パターンを解析的に描く手法を提出する.Environments for living organisms are often fragmented by natural or artificial habitat destruction. To simulate the range expansion of a single species in such a heterogeneous environment, we present a diffusion-reaction equation in which the rates of diffusion and reproduction periodically fluctuate between favorable and unfavorable habitats arranged in a striped pattern. Using this model, we derive a mathematical formula for the invasion speed together with the spatio-temporal pattern of range expansion.
著者
上田 恵介 江口 和洋 西海 功 高木 昌興 高須 夫悟 濱尾 章二 濱尾 章二
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

オーストラリア・ダーウィンにおいてアカメテリカッコウとその2種の宿主の調査を実施した。その結果、寄生者のヒナを宿主のハシブトセンニョムシクイとマングローブセンニョムシクイが積極的に排除するという事実が世界ではじめて明らかになった。ヒナ排除の事実はこれまでの托卵鳥研究で報告されたことはない。アカメテリカッコウはもともとハシブトセンニョムシクイを主要宿主として、ヒナ擬態を進化させたものであろうが、近年、マングローブセンニョムシクイにも寄生をはじめたものと考えられる。