著者
松井 利博 白水 智子 坂口 貴臣 金谷 太作 寺澤 和広 川﨑 健司
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.3, pp.118-123, 2018-03-15 (Released:2018-03-20)
参考文献数
18

本研究で筆者らは,硬さの違うガムを噛んだ際の咀嚼効果の検討を行った.「硬ガム」を噛むと刺激時唾液量が「軟ガム」に比べて有意に多いことが確認された.「硬ガム」の咀嚼前後で有意に唾液中の菌数が減少していることが確認された.更に「軟ガム」と「硬ガム」を比較すると,唾液中菌数の減少率に有意な差が認められた.「硬ガム」を噛んだ後の方が噛む前に比べて,認知課題中の脳活動が有意に高くなることが確認された.これらのことから,硬さの異なるガムを噛んだ際の咀嚼効果に対する新たな知見が得られた.食品としてのガムは,硬いガムの方が軟らかいガムより,刺激時の唾液分泌量を増加させ,唾液中の菌数を減少させることが示唆され,口腔衛生への寄与が期待された.硬いガムは日常生活においてQOLを維持向上させる簡便なツールとして活用される可能性が期待された.
著者
松井 利博 藤野 隆志 加島 準子 辻 守康
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.62, no.5, pp.487-489, 2000-02-25
被引用文献数
3 17

中国産シマリスよりクリプトスポリジウム小型種のオーシストを分離し, 実験動物齧歯類への感染性について調べた.自然感染シマリスには著明な臨床症状がみられなかった.オーシストは類円形を呈し, 大きさは平均4.8×4.2μmで, ヒトやウシから分離されたCryptosporidium parvumに類似していた.実験動物齧歯類に1.6×10^6個のオーシストを投与した結果, SCIDマウスは7日目からオーシストを排泄し始め, 50日目から10^5個台のOPG値を示した.ICRマウスでは13日と16日目に蔗糖液浮遊法でのみオーシストが検出されたが, ラット, モルモット, ウサギからは認められなかった.100日と102日目に感染SCIDマウスを剖検した結果, 空腸下部から回腸にメロゾイトやオーシストが検出されたが, 胃からは全く認められなかった.したがって, 本原虫C.parvumで, その感染性からgenotype 2の可能性が考えられた.