著者
石黒 章夫 青沼 仁志 松坂 義哉 加納 剛史 坂本 一寛
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2012-04-01

現在のロボットは,設計時に想定した稼働環境や使用目的に極度に最適化されているため,その振る舞いは著しく単調かつ画一的であり,またそれゆえに環境や身体の変化に対して脆弱である.一方で生物は,身体が持つ膨大な自由度の間に時空間的秩序を生み出すことで,適応的かつ多様な振る舞いを自己組織的に創り出している.本研究では,特異な対称性を持ち,自切する動物であるクモヒトデに着目し,状況依存的に多様かつレジリアントな振る舞いを発現する機序の解明を目的とした.その結果,比較的シンプルな自律分散制御則によって優れた適応性と耐故障性を有する振る舞いを再現できることを実験的に明らかにした.