著者
松藤 敏彦 田中 信寿 松尾 孝之
出版者
Japan Society of Material Cycles and Waste Management
雑誌
廃棄物学会論文誌 (ISSN:18831648)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.133-141, 1994

家庭ごみの発生特性を明らかにするため, 札幌市内の3家族をモニターとするごみの計量調査を9年間行った。各モニターは, 排出するごみを, 厨芥, 紙くず類, プラスチック, 金属, ガラスに分けて毎日計量し, 資源回収するもの, 粗大ごみは対象としていない。<BR>厨芥, 紙くず類の排出量は, それぞれ正規分布, 対数正規分布にしたがい, 分布の代表値としてはメジアンが適当である。両者の経年変化は, 紙おむつの使用, 家族人数の変化, 年齢の変化によってほぼ説明できた。また, 季節変動パターンにはモニターごとの特徴が見られるが, 夏の厨芥, 年末, 年度末の紙くず類の増加が, 市全体のごみ量の季節変動の原因と考えられる。曜日変動には, 家庭ごとに固有な一週間の生活パターンが表われている。一方, プラスチック, 金属, ガラスは排出されない日も多く, 対数正規的な排出分布を示す。モニター間の排出量の違いは厨芥が最も大きく, 生活スタイルの差を反映している。