著者
植松 英穂 小島 智恵子 松岡 啓介
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究課題の目的は、(1)プラズマ・核融合分野における国際会議に関する基礎的年表とデータベースの作成、(2)資料に基づく核融合分野における国際交流の歴史調査、(3)研究者への史実補完のためのインタビューである。作成した国際会議に関する基礎的年表とデータベースは、自然科学研究機構核融合科学研究所や日本原子力研究開発機構、日本大学理工学部に所蔵された国際会議のプロシーディングスや歴史的文献資料をもとに作成した。年表やデータベースを作成する上で得られた基礎的データは、今後の核融合分野における国際交流の歴史研究で使用される。また、資料調査の中で核融合研究黎明期におけるいくつかの史実が判明したために、同調査結果を日本物理学会等で発表した。さらに、史実を補完する目的で核融合研究者へのインタビュー調査を実施した。現在、インタビュー記録のテープ起こしを行なっており、校正作業を行なったうえで文書記録として保存する予定である。
著者
野口 正典 松岡 啓 野田 進士 江藤 耕作
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.75, no.7, pp.1154-1160, 1984-07-20
被引用文献数
3

陰嚢奇形そのものは少なく、また、その中でも会陰部副陰嚢と呼ばれる陰嚢奇形は非常に稀である。われわれは、不完全型陰茎前位陰嚢を合併した会陰部副陰嚢の1例を経験したので、報告する。症例は、3歳の男児で身長96.4cm、体重16.6kg、栄養状態良好、正常な発育を呈しており、1983年2月14日、外性器の異常を訴え当科へ入院した。会陰部左側に陰嚢様の腫瘤を認めた。縫線は陰茎、陰嚢では正常な位置に認め、会陰部腫瘤の右側を囲むような走行であった。両側の睾丸は腫瘤前方のそれぞれの陰嚢内に認めた。また、不完全型陰茎前位陰嚢の合併も認められた。染色体検査、排泄性腎孟造影、尿道膀胱造影などを含めた臨床検査所見に異常所見は認められなかった。1983年2月25日、Glenn-Andersonの方法に準じた陰嚢形成術、ならびに会陰部副陰嚢切除術を施行した。病理組織学的に、摘出物は正常陰嚢皮膚と診断された。術後経過良好で満足すべき結果が得られた。会陰部副陰嚢に関して、現在までに報告された7例を集計し、若干の文献的考察を加えた。会陰部正中線上の副陰嚢は陰唇陰嚢ひだの三重発生の結果であり、また会陰部左側の副陰嚢は陰唇陰嚢ひだの二重分割後の異常移動によるものと想像した。