著者
植松 英穂 小島 智恵子 松岡 啓介
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究課題の目的は、(1)プラズマ・核融合分野における国際会議に関する基礎的年表とデータベースの作成、(2)資料に基づく核融合分野における国際交流の歴史調査、(3)研究者への史実補完のためのインタビューである。作成した国際会議に関する基礎的年表とデータベースは、自然科学研究機構核融合科学研究所や日本原子力研究開発機構、日本大学理工学部に所蔵された国際会議のプロシーディングスや歴史的文献資料をもとに作成した。年表やデータベースを作成する上で得られた基礎的データは、今後の核融合分野における国際交流の歴史研究で使用される。また、資料調査の中で核融合研究黎明期におけるいくつかの史実が判明したために、同調査結果を日本物理学会等で発表した。さらに、史実を補完する目的で核融合研究者へのインタビュー調査を実施した。現在、インタビュー記録のテープ起こしを行なっており、校正作業を行なったうえで文書記録として保存する予定である。
著者
植松 英穂 竹田 辰興 西尾 成子
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.56, no.6, pp.395-402, 2001-06-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
6

日本において,制御核融合の研究が開始されて約50年経った.当時,天体,原子核,素粒子,宇宙線,放電,溶接などの分野の研究者たちによって核融合を志向する研究が始まった.そのとき,まず研究体制が議論され,さしあたって基礎研究を進めることで合意が得られた.その後,実験装置の大型化が進められるようになり,特に,この十数年で国際協力としての研究開発が盛んになった.本稿では,研究開発の巨費化がはじまる前の時代に焦点を当て,日本の制御核融合研究の跡をたどる.